「なかったことにしたい」ファイルは専用のソフトで自動消去する。「僕が死んだら…」は、デスクトップ上の「遺言」を開くと、指定したファイルが消去される。一定期間アクセスがないと自動消去する「死後の世界」も有効だが、入院時などに消去されないよう注意が必要だ。
遺品のロック解除で困ったら
一方、遺族として遺品のパソコンのパスワードをどうしても解除するときは、パスワードのレベルをしっかりと考えておきたい。例えばウィンドウズのログインパスワードがわからない場合なら、ある程度パソコンの知識があれば、ハードディスクを外して、ほかのパソコンに接続すればデータは読める。
身内だけでは太刀打ちできない場合は、専門の業者に依頼する必要がある。
ハードディスクのデータ復旧サービスなどを手掛ける「アドバンスデザイン」では、通常のデータ復旧サービスと同様に受け付けている。ただし故人のデータを悪用しようとする第三者の可能性もあるので、申し込み内容を詳細に調査するという。
デジタル遺品の処理に力を入れている会社もある。「デジタルデータソリューション」では、「写真が欲しい」「仕事のファイルがない」といった遺族の要望に対応して、デジタル機器を解析し、希望するデータを探してくれる。機器や状況によって成功率は変わるので、まずは無料診断から始めるとよいだろう。
(ライター 鈴木眞里子)
[日経PC21 2018年10月号掲載記事を再構成]