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エクセル達人ユーチューバー 世の残業減らす使命感 ユースフルの長内孝平社長

2018/8/29

制作にあたっては、教育系の人気動画を徹底的に研究。エクセルの解説という地味な動画でもズームイン機能などを付け、わかりやすさにこだわった。じわじわと人気を集め、今や「おさとエクセル」の登録者数は1万4千人に及ぶ。

就職後も早朝に動画を編集して朝7時に出社、昼食時にカフェで視聴動向などを分析、夜9時ごろから動画の撮影、といった忙しい日々を続けた。

■「役に立つ人間になれ」公務員の父親の教え

長内さんが作成した「おさとエクセル」の画面

著名ユーチューバーになったが、広告収入を得ていたわけではない。ではなぜここまでやったのか。長内さんは「人の役に立ちたいという強い気持ちが根底にある」という。この仕事観には、国家公務員である父親の存在が大きく影響している。

忘れられない思い出がある。小学校の少年野球チームの試合で長内さんは投手としてマウンドに立っていた。バッターが打った球はピッチャーゴロ。そして自ら一塁へ走ってアウトをとり、ホームに送球してダブルプレーをとった。観客席からは歓声が沸き起こった。

「やった!」と思っていた息子に父は予想外の一言を放った。「孝平、おまえ一人で野球やってるんじゃないぞ!」。当時の父の意図についてこう振り返る。「実はファーストの選手があまりキャッチの上手な選手ではなかったんです。僕がチームメートを信用できず、ワンマンプレーをしたことに対して父はたしなめたのだと思います」

そんな父から日々、「人や世の中の役に立て」とたたき込まれた長内さんは、中学校では学年委員長や野球部主将も務め、率先して人のために動いた。数学の授業についていけないという同級生がいたら、放課後、一緒に学校に残って教えたりしていた。「どんな人にもかみ砕いて伝える訓練になった」。この強みが動画のわかりやすさにつながっている。

キャリアの考え方も独特だ。入社前からずっと同じ企業で働くつもりはなかったという。「就職もユーチューバーの活動も『いい世の中をつくる』という最終目標を達成する手段です。一つの会社に縛られるのではなく、もっと大きな視点で役に立てる人間になりたい。社内でも社外でも価値を提供できるのが、自分にとってはエクセルだった」

17年にはネットニュースなどで取り上げられ、社内外で一気に認知が広まった。収入を得ていたわけではなく、ユーチューバー活動は社内規定に抵触しないと判断されたものの、「会社に迷惑をかけないように、関係部署と話し合い、一時的に投稿を停止した」。この間、自分が何をやりたいのか、もう一度考えて出した答えが「自分のミッションに背水の陣で臨む」。投稿を再開するにあたり、3年4カ月勤めた職場を離れる決意をする。

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