災害に負けない家計の危機管理 預貯金は6カ月分

地震や噴火による損害に備えるのが地震保険だ。保険金額は火災保険金の半分までしか設定できないため、家が全壊すると再建には足りないことが予想される。このため一部の損害保険会社は上乗せ補償する商品を扱っている。

公的支援も活用

大規模自然災害には被災者生活再建支援制度に基づく公的支援がある。自宅(賃貸物件を含む)が全壊すると、基礎支援金100万円、住宅の再建・購入のための加算支援金200万円の、最大300万円を受け取れる。

支援金を受け取るには被災の程度などを示す罹災(りさい)証明書が必要だ。対象にならなくても、被災したら証明書を申請しよう。自治体独自の支援や義援金を受けるには、証明書が必要だからだ。

保険や公的支援はあっても、受け取れるまでには時間がかかる。このため「6カ月から1年分の生活資金を現預金で用意しておきたい」と指摘する専門家は多い。生活費が月20万円なら120万~240万円が目安となる。

住宅ローンはローン軽減の手続き

最後に、住宅ローンを返済中の人が被災してしまうケースだ。返済を続けるのが難しくなったら、「自然災害債務整理ガイドライン」に基づく債務整理手続きを利用することも検討したい。借入先の金融機関に利用を申請し、銀行が同意すれば、弁護士などによる債務整理の手続きが始まる。ローン残高がすべてなくなるわけではないが、手元にある程度の財産を残したまま、返済負担を軽減できる。

災害に備えて非常持ち出袋を用意している家庭では、一緒に預金通帳のコピーや加入している保険の一覧表なども入れおくといいだろう。

(川鍋直彦)

[日本経済新聞朝刊2018年8月25日付]

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