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GEジャパンの浅井英里子社長

GEジャパンの浅井英里子社長

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は人材育成に毎年10億ドル(約1100億円)を投じ、経営幹部層は執務時間の3分の1を人材育成に充てる。日本法人であるGEジャパンの浅井英里子社長(50)に、リーダーの育て方や、自身が体得したコミュニケーション術について聞いた。(前回の記事は「『9歳の修羅場』が鍛えた GEジャパン社長の交渉力」

グローバルチームでは、情報共有と「巻き込み力」が命

――ソニーのほか、日本マイクロソフトなどの外資系企業で、バックグラウンドが異なるメンバーと働いてきました。グローバルなチームでのコミュニケーションに、コツはありますか。

「一番重要なのは、情報を誰もがわかる形で共有することです。私自身、それで痛い思いをしたことがあります。新卒で入ったソニーでヨーロッパを統括する現地法人に赴任した時のこと。日本人はチームに私一人。ほかは全員ヨーロッパ人で、私は早朝、他のメンバーより早く出社していました。その時間なら日本の本社はまだ営業中なので、新製品の仕様やプロモーションの打ち合わせをしていたんです」

「ところがしばらくすると、チーム内がギクシャクしてきました。どうやら私に不満がある様子です。そこで思い切って何が問題なのか聞いてみました。すると『エリコは誰もいない時間に来て、コソコソ日本語で電話している』と言うんです。ショックでした。日本語が話せるのは私だけだし、チームのためと思っていたのに、何かずる賢いことをやっていると疑われていたのです。それで何をしていたのか説明したら『えー、そうだったの』と」

「そこで学んだのは、グローバルなチームでは、自分がいま何を考え、何をやっているのかを、自分からわかりやすく説明し、透明性に特に気を配らなくてはいけないということです。さらに自分ひとりで完結せずにメンバーをちゃんと巻き込んで、フィードバックをもらうことが重要です。日本人同士でもそうですが、特に言葉や文化が違う場合、『自分だけ聞かされていなかった』というのは、一番不満を持つ原因になります」

――7年前にGEに転職し、人材育成についての考えは変わりましたか。

「大きな転機で、仕事を通じて人を育てる喜びに目覚めました。特にこの会社では、担当分野でどんなに高い業績を上げても、人を育てられていなければ、リーダーとは認められません。『すべての社員がリーダーで、リーダーは人を育てることが使命』という考えが徹底しています」

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