2018年7月にオープンした体験型リゾート「シエナヒルズ」。一棟貸し切りのヴィラの向こうに宮津湾が見える

体験ツアーをはじめとする地域の魅力発信の受け入れ拠点となるのが「シエナヒルズ」。丹後エリアを中心に別荘や会員制ヴィラなどの事業を手掛けるにしがきが運営します。

宮津湾を見渡す小高い丘の上には、プライベートプールや温泉を備える別荘感覚の貸し切りヴィラと、ドーム型のテントを備えたグランピング施設の2種類の宿泊施設。両施設とも食材を持ち込み可能。渓流遊びやバーベキュー、キャンプファイヤー、ガーデンパーティーを楽しむことができます。

ドーム型のテントを用いたグランピング施設。渓流遊びやBBQ、出張料理なども楽しめる (写真提供:にしがき)

天橋立、実は究極のパワスポ

さて、宮津湾エリアで外せないのが天橋立でしょう。足の間からのぞくことで天と地が逆転し、天にかかる浮橋の眺めを楽しむ独特の鑑賞法「股のぞき」が有名です。

飛び立っていく竜のように見える天橋立「飛龍観」。天橋立ビューランドからの眺め。対岸に見える「傘松公園」は股のぞき発祥の地で、天に昇っていく竜のように見える「昇龍観」の眺めが楽しめる

天橋立は、砂利や小石が海中に堆積して約4000年前に海面に現れたとされます。南側の小天橋から北側の大天橋へ、延長約3.2kmにわたって続く松林と、それを縁取る幅20~170メートルの白い砂州は、天に昇っていく竜の姿にもたとえられます。

丹後風土記によると、天橋立はイザナギノミコトが天界と下界を結ぶために作ったはしごが寝ている間に海上に倒れたもの。股のぞきで見える風景は、天橋立神話に登場する天上世界であり、それを見ることで運気が上がると縁起をかつぐ人も。また「天の浮橋」神話では、はしごはイザナギが地上の籠(この)神社奥宮にいたイザナミのもとに通うために使っていたとされ、「元伊勢 籠神社(伊勢外宮・豊受大神の旧地)」の奥宮「真名井神社」は良縁成就の地として知られています。

天橋立屈指のパワースポット、真名井神社は籠神社の奥宮。拝殿の後ろには天橋立の根本地といわれる磐座がある

天橋立には「天橋立神社」、北側の傘松公園には天橋立を眼下に望む「成相寺(なりあいじ)」など、このエリアにはパワースポット(パワスポ)が点在。ゆっくり巡って運気を高めたいところです。観光船を利用すれば、天橋立の北と南に分かれるスポットも約12分で行き来ができます。

※真名井神社は現在、修復工事が行われており、一部立ち入り禁止区域があります。

天橋立までは、電車なら京都駅から特急で約2時間。高速バスなら東京から約10時間半。大崎駅を午後10時に出れば、翌朝8時30分には天橋立駅に着きます。

水津陽子
 合同会社フォーティR&C代表。経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究などを行う。