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男性の育児休業取得義務化 働き方や意識、どう変わる

2018/8/28

出産前の夫婦を対象にしたセミナーで乳児の世話の仕方を学ぶ男性(右)

「本当に休めるんですか?」。積水ハウスは9月から男性社員に1カ月以上の育児休業取得を義務付けます。この方針を7月下旬に公表すると、人事部門に男性社員から問い合わせが相次ぎました。同社では子どもが3歳になるまで育休を取得できます。例えば現在2歳の子どもを持つパパ社員も義務化の対象です。同社によると、約1400人の男性社員に育休取得義務が生じるといいます。

育休は仕事と子育ての両立に欠かせない仕組み。育児・介護休業法では原則子どもが1歳になるまで父親でも母親でも取得できます。ところが2017年度の取得率は女性83.2%に対して男性5.14%と大差があります。女性の就業を促進するには男性の育児参加が欠かせません。国は20年までに男性の育休取得率を13%にする目標を掲げて、企業に協力を求めています。

日本生命保険やリクルートコミュニケーションズ(東京都)も数年前から男性の育休取得を義務化しています。ただ両社の取得義務は1週間程度。1カ月以上の義務化は異例です。積水ハウスの伊藤みどり執行役員は「1カ月間は有給ですので収入が減る心配もありません。子育てを体験すれば発想も豊かになり、家造りの良いアイデアも浮かぶはず。育休は将来的に仕事に役立ちます」と説明します。

育休取得が女性に偏っているのは先進国共通の課題です。ドイツやフランス、スウェーデンなどは休業期間や手当などを手厚くし、父親の取得促進に努めています。その結果、休業を取得する男性はいずれの国でも増えました。それでも男女同数には及ばず、女性の方がいまだに取得率は高く、取得期間も長くなっています。

経済学は育休取得の男女格差が女性管理職の増えない一因だと説明します。手塩にかけて育てても女性は肝心の時期に長期休業するリスクがあります。同じ育成コストを投じるなら、休業リスクが低い男性を優先して育成することに経済合理性があります。こうして男性が入社間もない時期から成長機会を優先的に得るため、能力差も徐々に開き、女性は昇進・昇格が遅れてしまいます。

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