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「リベラルアーツを学ぶことは人間を学ぶこと」と語るセルムの加島禎二社長

「リベラルアーツを学ぶことは人間を学ぶこと」と語るセルムの加島禎二社長

リベラルアーツ(教養)というと大学教育を連想するが、最近は社会人も身に付けるべきだという意見をよく聞く。歴史や哲学を手軽に学べるとうたう書籍の出版も活発だ。ただ、「ジャンルが広すぎて何から手を付ければよいかわからない」と悩む人も多いだろう。ビジネスパーソンが身に付けるべき教養とは何か。なぜいま、ビジネスに教養が必要なのか。リベラルアーツに関する企業研修も多く手掛ける人材開発大手、セルム(東京・渋谷)の加島禎二社長に聞いた。

まず1つの分野を掘り下げる

「リベラルアーツ研修の依頼は5~6年前から増えている」。加島氏はこう語る。同社が企業から受注したリベラルアーツ関連の研修は2012年度の42件から17年度には137件に増えた。内容は美術、音楽、文学、哲学、宗教などさまざま。専門家やパートナーコンサルタントが講師として登壇するほか、教養の必要性自体を講師が話すこともあるという。

加島氏がまず強調するのが「物知りになろうと思ってはいけない」ということ。教養人イコール物知りではない、教養人とは「人間をよく知る人」だと指摘する。そもそもリベラルアーツは長い歴史の中で人間が生み出してきたものを学ぶこと、すなわち人間を学ぶこと、というわけだ。

だから、多くの知識を学ぶ必要はない。自分が興味を持つ一つのことを掘り下げる。それが第一歩だ。手始めに、「自分が大学や高校で興味を覚えた授業に関する本を1冊読んでみてはどうか」と加島氏は勧める。そこから関心のおもむくまま、関連する本を読んだり、講演を聞きに行ったりして専門性を深めていく。

また、伴侶や恋人、友人らが持っている趣味や特技などの世界に、一歩足を踏み入れてみるのもおすすめだという。「身近なところから、全く違った世界が開ける」可能性がある。ちなみに加島氏の場合、義父が著名な浄瑠璃の演奏家だったので、関係者とより親しくなるために自分も三味線を猛練習し、舞台に立つまでに上達したという。

美術館を巡るのも、リベラルアーツを学ぶきっかけになる。特に、平日の昼間がすいていて狙い目だという。最近はテレワークやシェアオフィスでの勤務を認める企業が増えている。「会社にいなくてよい時間をカフェやシェアオフィスだけで過ごすのはもったいない。芸術に触れるのも仕事の一つと割り切ってよいのでは」と話す。

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