満タンと空っぽはNG バッテリー長持ちの基礎知識

日経パソコン

完全に放電(0%)した状態のままにすると、それ以上の放電を防ぐために、リチウムイオンバッテリーの保護回路が働き、充電できなくなる場合もあるのだ。

リチウムイオンバッテリーを長持ちさせるには、高温環境を避け、ある程度の電力量を維持することが重要になる。

バッテリーを長持ちさせる使い方とは?

リチウムイオンバッテリーの劣化対策の一つは、充電回数を抑えることだ。

とはいえ、こまめに充電を繰り返す「継ぎ足し充電」に、それほど神経質になる必要はない。充電回数は、継ぎ足した数ではなく、充電量が合計で100%に達した時点で1回と数えるからだ。

充電回数は、バッテリーの定格容量分を充電したときに1回と数える。残量30%からフル充電(70%分)して、さらに残量70%の状態からフル充電(30%)したときも1回とカウントする

バッテリーの寿命を考えた場合、最も現実的な対策は、充電容量を一定範囲内に収めることにある。一般に、定格の40%から85%程度が望ましいとされる。一部のノートパソコンは、充電と放電の開始タイミングを設定できる専用のユーティリティーを搭載する。可能ならば積極的に活用しよう。

一方、こうしたソフトのないパソコンの場合、必然的にACアダプターをつなぎっ放しになる。満充電の状態が長く維持されるのは可能な限り避けたい。とはいえ、最近のパソコンは、バッテリーの満充電レベルが定格より低く設定されているものが多い。満充電を維持しても、寿命への影響は小さいと考えられる。

ノートパソコンによっては、専用のユーティリティーで充電の開始と終了のタイミングをバッテリー残量で設定できる。満充電の容量を80%前後に設定することで保存劣化を防げる。画面はレノボ・ジャパンのThinkPadシリーズ
ACアダプターをつなぎっ放しにすると、満充電に近い状態で何度も「継ぎ足し充電」される。ただし、最近の機器は満充電のレベルがバッテリーの定格よりも低く設定されており、継ぎ足し充電を続けても劣化しにくくなっている

リチウムイオンにメモリー効果はない?

リチウムイオンバッテリーが主流になる前に広く利用されたニッケル水素タイプでは、容量を使い切らずに継ぎ足し充電すると、充電を始めた時点を記憶してしまう「メモリー効果」と呼ぶ現象が発生する。電池容量が残っていても、記憶された時点で電圧が下がり使えなくなるというものだ。

リチウムイオンバッテリーでは、同様のメモリー効果は発生しない。ただし、充電を繰り返すと、劣化によりバッテリー内部の制御回路が誤った残量を認識してしまうことがある。パナソニックの「Let's note」シリーズなど一部のノートパソコンは、こうした残量誤差を補正する機能を搭載している。

(日経BP社日経パソコン編集部 中村稔)

[日経パソコン2018年6月25日号の記事を再編集]

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