「老後にマイホーム」30年ローンを抱えた50代夫婦家計再生コンサルタント 横山光昭

写真はイメージ=PIXTA
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「老後のことを考えてマンションを購入したのですが、資金計画は大丈夫でしょうか」。化粧品営業のOさん(49)と会社員の夫(51)が家計相談にやって来ました。「老後生活にはマイホームが良い」と聞き、夫が50歳のときに購入しました。Oさんの母が亡くなり1000万円の遺産を相続したので、遺産を頭金に、残る3000万円の住宅ローンを組みました。返済期間30年のローンで、完済するのは80歳。収支を聞くと、到底、老後資金をためられない状況に陥っていたのです。

確かに、老後はマイホームのほうが生活しやすい側面があります。購入後は、毎月の家賃負担がかからず、生活費を少なく抑えられます。また、最近は高齢者向け賃貸住宅もありますが、一般に高齢者が新たに賃貸契約を結ぶのは難しい実態があります。

ローン返済重く老後資金不足に

一方、今後のローン返済が80歳まで続くのは大変です。夫の定年時に退職金が1200万円ほど出る予定で、ここでローンを返済すればその後の負担は少なくなると話しますが、老後資金が足りなくなります。こうした状況を踏まえずに、頭金1000万円だけでマンションを購入してしまいました。

O家の家計はどうなっていたのでしょうか。まず貯蓄はわずか340万円。高3の息子は進学せずに就職を決めているので、学費の心配はありませんが、老後資金は心配です。2人とも働けるうちに、少しでも多く蓄えておくことが必要でしょう。

手取りの月間収入は夫婦で46万4000円、支出は約52万円。毎月約5万5000円は赤字となっており、不足分は1年間で100万円の夫のボーナスで補っています。大きな買い物があると、貯蓄を回復させるのは難しい状況です。細かく支出の状況を聞くと、全体的に支出が多い「メタボ家計」でした。極端に高過ぎる費目はありませんが、全体的に支出が多めです。

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