大容量に対する解決策の一つとして、洋封筒型の名刺入れがある。横長の洋封筒のような形をした名刺入れで、大量の名刺を包み込むような形で収納するタイプ。その機能と品質の高さで早い段階から注目されていたのは、100枚入るという土屋鞄製造所のエンベロープ(封筒)型の名刺入れだったが、現在は作られていない。70枚収納の「ウルバーノ ベルトカードケース」が、その方向性を継承している。シンプルなワンボックス型の大容量名刺入れで、なおかつデザインもいい。TPO問わずに使えて、名刺の補充も頻繁に行う必要がない。とても使いやすい名刺入れだ。

大容量の名刺入れでは、エムピウの「cento II」が現状では最も理想的な名刺入れかもしれない。100枚収納の大容量ながら、蓋と底部を同じ構造にすることで中に入れる名刺の枚数に応じてマチが自動的に広がるのだ。20枚入れていれば厚み20mm程度だが、100枚入れれば40mmまで広がる。中は二層になっていて自分の名刺と、受け取った名刺を分けて収納することも可能。ミネルバリスシオというイタリア製のタンニンなめしの革も見栄えが良く、手触りも良く、経年変化も楽しめる。

「名刺交換でもたもたしたくない」
出し入れのしやすさで考えると、二宮五郎商店が40年作り続けている、風琴マチシリーズの名刺入れが使いやすい。マチが内側ではなく外側に向けて折り込まれているので、名刺収納部分の幅に余裕があり、とても出し入れしやすいのだ。上質な革と、サイズ的な無駄を極力省く高い縫製や折り返しの技術によって作られる、バリエーションも豊富だが、コンパクトで柔らかな風合いの「オットチェント風琴マチ名刺入れ」がオススメ。縫い目や素材、製法のほんの少しの違いで、使い勝手が大きく変わるという事実を体験してほしい。

ベアハウスの「ThinkAism 自由メイシイレ」も、出し入れのしやすさを考えた名刺入れだ。