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キャリア

女性のキャリア相談、助言は社外から 利害のなさ強み

2018/8/21 日本経済新聞 朝刊

ビデオ通話で社外メンターとキャリアについて相談する近藤さちさん

一対一で仕事上の悩みや将来について相談できるメンター。制度として導入する企業は多いが、働く女性の様々な問題に対応できる人材が社内にいるとは限らない。悩み多き女性たちに寄り添い、その背中を押す社外のメンターたちが活躍している。

◇   ◇   ◇

■転職・育児…本音で相談

営業職として働きながら6歳と1歳の子を育てる30代の会社員、近藤さちさんは2人目の育児休業中から社外のメンターに助言を求めている。相手は日本ロレアルで副社長を務めた安藤知子さんだ。

近藤さんが利用したのは、ワーキングマザーの支援を手掛ける「育キャリカレッジ」(東京・港)が昨年始めた外部メンターのサービス。30~40代のワーキングマザー世代の悩みに答える女性メンターが11人おり、起業や転職、育児と介護、学び直しなど様々なテーマに沿って相談相手を選べる。女性なら有料で仕事などの悩みを相談できる。価格はメンターによって異なるが、安藤さんを指名した場合は1時間1万3千円だ。

パソコンやスマートフォンの通話ソフトを使って、どこからでも利用できる。「仕事と育児のバランスに葛藤しています」。近藤さんがパソコン画面越しに打ち明けると、安藤さんは「復帰後の3カ月、次の3カ月と区切り、仕事のギアを上げていくのはどうかしら」と提案した。

近藤さんが社外メンターを依頼したのは「社内にはない視点を取り入れ、利害関係のない人に自分の本音をさらけ出せる安心感があった」からだ。同じ職場の人には打ち明けられない焦りや不安、将来の希望も正直に話せる。

別の40代の女性は「ずっとモヤモヤとした気持ちを抱えていた」という。「人生100年時代といわれ、ずっと働きたいけれど今の会社でいいのか」。出産を経て社会に役立つ仕事をしたいと思ったが、勤務先ではかなわない。興味の赴くまま勉強会にも顔を出したが「なんで40歳にもなって迷走してるんだろう」と落ち込んだ。

安藤さんに「いつか点が線になるから、1年くらい迷走したっていいじゃないの」と言われ、自分を肯定できたという。4回の相談を経て転職を決め、ボランティア活動も始めた。「深く話を聞いてくれ、少しずつ気持ちがクリアになった。自分一人では整理できなかった」と振り返る。

安藤さんは女性と向き合うなかで「個人に合わせたリアルな相談ができる場所が必要とされている」と感じる。社内で女性を支援する制度が整いつつあるものの、社会には情報があふれ、困惑している女性も多いとみる。「自分の意思で決断ができるようにサポートしたい」という。

育キャリカレッジが今年2月、働く母親100人に調査したところ「メンターがいる」と答えたのは32%。そのうち大半が社外で「社内に女性メンターがいる」人は7%だった。育キャリカレッジの池原真佐子代表は「時短勤務など制度は整ってきたが、女性がキャリアアップのために相談できる仕組みはまだない」と指摘する。

メンター役になる女性たちには、あらかじめコーチング理論や、現代の働く母親の心情などについて講義している。

実技テストも実施する。経歴は多彩で、夫の海外赴任で海外に暮らしたり、出産後に大学院に進学したり、企業で新規事業を立ち上げたなど、様々。悩みながら工夫を重ね、キャリアを築いており「経験知を眠らせず、次世代につなぎたい」(池原代表)との狙いもある。

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