それでも、将来に向けて意思決定をするには「こうするべきだ」という仮説を打ち出し、検証を繰り返してできるだけ強固なものにし、「今の時点で分かりうる最適の解」に近づけていかなくてはいけません。そのための議論を加速させるには、まず「自分はこう考える」というポジション取りが必要になるのです。
クライアントの心を動かせるかどうか
クライアントの立場からすると「どちらでもいいと思います」では、わざわざコンサルタントに依頼している意味がありません。最後に「そこまで薦めるならやるしかない」という気持ちになってもらうためには、コンサルタントが強い気持ちを持って極端なまでに「ポジションを取る」ことが不可欠です。
お笑いもコンサルティングも、目の前のお客さんの心を動かすには「何がしたいかはっきりさせる」「自分だったらどうするか意見を持つ」というように「ポジションを取る」ということが共通しているのだと考えられます。
ただ、このように理屈では分かっていても実行に移すことはまた難しいことですし、私もお笑い芸人として実行できているかといえば、今も頻繁にお笑い迷子に突入するので、このように語るのはおこがましいことも重々承知しています。ただ、お笑い養成所とコンサルティングの世界、遠く離れた世界で同じようなことを言っているという気づきが参考になれば幸いです。(つづく)
石井てる美
1983年生まれ、東京都出身。白百合学園中学校・高等学校から東京大学文科三類に入学。工学部社会基盤学科卒、東大大学院修了後、2008年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社、お笑いタレントを志して09年夏に退社。TOEIC990点(満点)、英語検定1級取得。現在、ワタナベエンターテインメント所属のお笑いタレントとして活動中。
1983年生まれ、東京都出身。白百合学園中学校・高等学校から東京大学文科三類に入学。工学部社会基盤学科卒、東大大学院修了後、2008年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社、お笑いタレントを志して09年夏に退社。TOEIC990点(満点)、英語検定1級取得。現在、ワタナベエンターテインメント所属のお笑いタレントとして活動中。