投資判断の重要なカギ まず企業像つかむ(苦瓜達郎)大和住銀投信投資顧問シニア・ファンドマネージャー

画像はイメージ=123RF
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「企業は全て異なる性格を持ち、それぞれに個性があるが、『仕事をしている人間の集団』という点は共通している」

前回は、なぜ私が「よく知らない業界でも、想像力と知ったかぶりを駆使して投資することが有効」という考え方にたどり着いたかをお話ししました。今回は、知らない業界の企業を取材する際、具体的にどんな手法を用いているかについてお話しします。個人投資家の方々にとっては、投資以外にも様々な社会生活の局面において役立つ知識だと思います。

イメージづくりによって企業集団を類型化する

よく知らない企業について取材する際、面談の序盤で行うことは、その企業の本質を大まかにつかむことです。企業は全て異なる性格を持ち、それぞれに個性がありますが、そうはいっても「仕事をしている人間の集団」という点は共通しています。従って、集団の類型化による把握が有効と考えます。過去に取材した企業との類似性などを参考にしつつ、「この人たちはこんな感じの集団なのかな」と仮説を立てた上で、さらに検証を行なっていきます。

検証で最も有効な方法は、企業の沿革を聞くことです。創業の経緯や、現在の事業形態に行き着くまでの数々の成功や失敗を聞き取ることで、その企業の基本的な行動パターンが見えてくることがしばしばあります。

感情や価値判断が含まれる発言には特別な注意

また、感情や価値判断が含まれる発言には、特別な注意を払う価値があります。それらを注意深く頭の中で整理して関係性を検証することで、明言されていない業界構造や上下関係などが見えてくることがあるからです。相手の発言のニュアンスを汲み取らず、自分のパターンの範囲内でしか質問できない取材者はあまり優秀とはいえません。

頭の中で企業像の枠組みがだいたいできあがったら、次にいろいろなことが想像しやすくなるように、肉付けを行なっていきます。細部のイメージをつくっていくためには、自分が比較的よく知っている分野と突き合わせることが有効です。

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