寿命伸びて膨らむ介護費 負担は月平均7万9000円「健康寿命」が重要に

幸子 健康寿命に詳しいニッセイ基礎研究所の村松容子・准主任研究員が、いま65歳の男女についてそれ以降の日常生活に影響のある期間を算出したところ、男性は5.46年、女性は8.23年だったわ。さらに介護保険の要介護認定のデータと組み合わせ、日常生活の基本動作で助けを必要とする要介護2以上の期間を推計したところ、男性は1.58年、女性は3.31年だったの。

 あくまで平均だけど、だれかに世話してもらわないと暮らせない期間は数年なんだね。ただ要介護になるとお金がかかりそう。

幸子 そうね。在宅でも介護保険の自己負担だけで月2万~3万円ほどかかることがあるし、施設に入居するともっとお金がかかる。生命保険文化センターのアンケート調査では、家計の負担は「月1万円以上5万円未満」が25.3%で最も多く、次いで「月5万円以上10万円未満<」が20.9%。平均は7万9000円よ。介護が長期にわたると負担が重いし、介護保険や医療保険を通じて国の社会保障費もふくらむの。だから平均寿命を延ばしつつ、それ以上に健康寿命を延ばすことが重要ね。

良男 年をとっても健康でさえあればマイペースで働いて年金の足しにできる。元気なシニアは労働力としても期待されているんだろうな。

 そういえば夏の甲子園は今回が第100回の記念大会なんだよね。

良男 パパは第150回の記念大会もこの目で見れるよう頑張るぞ!

幸子 簡易生命表によると、いま52歳の男性のうち102歳まで生きる人は0.6%くらい。そうなれば甲子園出場くらいの快挙よ。

■事前に家族で話し合いを
ニッセイ基礎研究所 村松容子さん
平均寿命が延びるのは喜ばしいことですが、延命治療の充実もその一因になっています。老後をつらい病気を抱えながら、あるいは寝たきりで過ごすよりも、亡くなる直前まで他人の助けを借りずに自立して暮らすことが理想なのは言うまでもありません。日々の運動、食生活、所得水準――。どんな要素が健康寿命を左右するのか、相関関係をさぐる研究が盛んになっています。
いまの60~70歳代は「子どもに迷惑をかけたくない」という意識が強いようですが、平均すると人生の最期の数年間はだれかの世話にならざるを得ないのが現実です。要介護になったら老人ホームに入るのか、在宅で過ごすならだれに世話してもらうのか、そのためのお金はどうするのか、夫婦や親子でよく話し合っておくことを勧めます。
(聞き手は表悟志)

[日本経済新聞夕刊2018年8月15日付]

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