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新型ジムニー 原点回帰で大人気、街乗りも快適に

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NIKKEI STYLE

スズキの軽四輪駆動車「ジムニー」が20年ぶりにフルモデルチェンジした。コンパクトなボディーを持つ本格的な四輪駆動車として、林道などを走る世界中のプロフェッショナルから支持されているクルマだが、近年のSUVブームに加え、最近のスズキ車にも共通するポップな雰囲気も備えるため、幅広い層から注目されている。

◇  ◇  ◇

20年ぶりのフルモデルチェンジ

ジムニーの歴史は、すでに半世紀近い。1970年に初代が誕生して以来、改良やモデルチェンジを行いながら、48年間つくり続けられてきた。マーケットも国内だけではない。意外と知られていないが、ジムニーは世界194の国と地域で販売されており、累計販売台数は約285万台にも上る。まさにスズキを代表とする世界戦略車なのだ。

モデルライフの長さもジムニーの特徴だろう。3代目となる先代が登場したのは98年。今回の新型は20年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

先代は外観も初代や2代目より乗用車らしくなり、オンロード性能も重視されたが、日常ユースに適した快適性を持ち合わせているとまではいえなかった。SUV人気が高まる中で登場した4代目ジムニーは、悪路を走る能力だけでなく、日常使いでの快適性がどれだけ向上しているかにも関心が集まっていた。

そんな状況で登場した新型はジムニーの伝統を受け継ぎながら、全面的に刷新された意欲作だった。

ジムニーの伝統を見直す

FRレイアウト、パートタイム4WD、耐久性に優れたラダーフレーム……こういったジムニーの伝統は、今回登場した4代目でもしっかり受け継がれている。しかも一つ一つのパーツは全面的に見直されているという。たとえばラダーフレーム。はしご型の基本骨格のことで、悪路走破の要となるパーツだが、新型ではねじれ剛性を先代の約1.5倍まで高めている。

エンジンは、スズキ軽自動車の主力エンジンのひとつである、64ps/96Nm の660cc直列3気筒ターボを搭載(燃費はリッターあたり13.2~16.2km)。同時に発表された小型四輪駆動車の「ジムニー・シエラ」には、新たに開発された1500cc直列4気筒自然吸気エンジンを搭載している(102ps/130Nm、13.6~15.0km)。※燃費はともにWTLCモード

トランスミッションは、5速MTと4速ATが用意される。4WDはパートタイム式。日常走行は後輪駆動で行い、必要に応じて4WDを選択する機械式で、ドライバーは副変速機を使ってモードを選択する。4WDにも2つのモードがある。高速走行までカバーする通常の4WDモードとなる「4H」と、低速走行のみに限られるが、ぬかるみや急勾配の上り坂などに必要な高い駆動力(4Hの約2倍)が得られるモードの「4L」。厳しい悪路などで活躍するのが後者だ。

ジムニーと兄弟車であるシエラの違いにも触れておこう。ボディー構造はどちらも共通のものを使用しているので、車内の広さは変わらないが、エンジン、そしてタイヤサイズが異なる。タイヤサイズの違いは外観にも影響を及ぼしている。小型車のシエラは幅広いタイヤを収めるためにフェンダーのアーチやバンパーサイズが大きくなっているので、見た目の印象が異なるだけでなく、サイズもジムニーより少し大きくなる。

悪路でも怖さ感じず

実際の走りはどうか。オフロードとオンロード両方で試乗してみた。

最初に走ったのはオフロード。走ったコースは、こぶのある凸凹道、上下の急斜面、傾斜道などの未舗装路だ。林道なども整備が進んでいる日本の場合、ここまで悪条件の道を走るのはほんの一握りのユーザーだけだろう。

走り出す前に、ジムニーの副変速機を駆動力の高い4WDの4Lにセット。このモードでは新機能「ブレーキLSDトランクションコントロール」が働く。これはぬかるみや雪などで空転したタイヤのみをブレーキでロックすることで、駆動力を確保する機能だ。今回は、もうひとつの新機能「ヒルディセントコントロール」もONにした。急な下り坂などで自動制御ブレーキにより車速を一定に保つ機能で、ドライバーはステアリング操作に集中できる。

オフロードコースを走り始めると、小さなジムニーは、凸凹も急な勾配や傾斜もものともせず、ガンガン進んでいく。車体は揺すられたり傾いたりするが、怖さは感じない。

走行中は、エンジンブレーキがより利くMTとヒルディセントコントロールのアシストもあり、アクセル操作とステアリング操作に集中できた。時折、ローとセカンドのMT操作が加わるが、AT車ではこれもなくなるため、この程度のオフロードコースでは退屈してしまうドライバーが出てくるかもしれない。

オンロードで快適なシエラ

オンロード性能を試すために公道へ出ると、スズキが力を入れたという舗装路での快適性がすぐに理解できた。まず先代に比べて乗り心地が圧倒的によくなった。ステアリングなどのフィーリングも向上している。

軽のジムニーでも不満はないが、市街地の走りはシエラが一歩リードする。新開発の1.5リッターエンジンは、従来型よりも排気量が大きく、パワーやトルクに余裕が出た。このため、エンジン回転数が抑えられ、走行音も静かなのだ。サイズアップされたタイヤにより、コーナーリングも安定感がある。

排気量が小さい軽ジムニーのエンジンをフルに使い切る走りも魅力的だが、街乗りの時間も長く、同乗者がいる場合が多い人にはシエラを薦めたくなる。静粛性にはそれだけの差が出る。さらに悪路走破性もタイヤサイズと車幅が広くなるシエラのほうが優れる。まさにオールマイティー・ジムニーといえる存在だ。

プロにも日常使いにも

オンロードの走行性能も向上したジムニーだが、今流行のSUVとして捉えると本質を見逃す。ジムニーはやはり悪路走行を前提としたクロスカントリー車なのだ。

新型がサイズアップしていないのも、プロフェッショナルの使い方を想定したから。このサイズでないといけない場所へ移動するためにジムニーを選ぶ林業のプロは世界中にいる。チーフエンジニア(CE)である米澤宏之氏も「そんなニーズを踏まえ、プロが認める性能を最重視して開発した」と力を込める。

とはいえ新型ジムニーはプロフェッショナルしか使えない車ではない。

確かにほとんどの一般ユーザーにとって、悪路走破まで想定した4WD性能を生かす機会は多くないだろう。しかし新型は乗用車としての快適性も追求している。これは「仕事で使うプロたちに移動中の快適さを提供したい」という開発サイドの思いからだ。

スクエアでコンパクトなボディーは車両感覚もつかみやすい。乗車位置も高いので、見通しもよく、視認性にも優れる。自動ブレーキなどの先進安全運転支援機能をはじめとする新機能もたくさん盛り込まれている。もちろんリセールバリューだって期待していい。そしてユーザーが望めば、プロツールとしての本物の機能が、行動範囲を広げ、新たな楽しみを教えてくれるだろう。

プロが認める性能を最重視したという米澤CEだが、一方で「その本物感は、昨今の本物志向の高い消費者からも支持されるだろうと考えていた」という。SNSなどのジムニーへの反響を見て、その手ごたえを感じているそうだ。

新型ジムニーの価格は145万8000~184万1400円、小型車のシエラで176万400~201万9600円。これだけ欲張りな車が、現実的な価格で手に入る。これも日本ならではの楽しさだろう。ただすぐに手に入れるのはなかなか難しそうだ。8月中旬に都内ディーラーで納期を確認したところ、ジムニーで半年以上、シエラで1年先という回答が返ってきた。

大音安弘
 1980年生まれ、埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材している。自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がける。

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