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被災地への寄付金 「ふるさと納税」活用で申告不要に

2018/8/18

写真はイメージ=PIXTA

 大規模な自然災害が相次いでおり、被災者を支援するために寄付をしたいと考える人は多いでしょう。義援金は被災地の自治体に直接送ることもできますし、「ふるさと納税」の仕組みを使って届けることも可能です。寄付をすれば原則、税金の控除を受けられますが、寄付の方法によって確定申告の扱いなどが異なることもあります。

 被災自治体に寄付する仕組みとして一般的になってきたのが、ふるさと納税です。これまで特産物などの返礼品を目当てに各地に寄付したことのある人は多いでしょうが、被災地支援の仕組みとしても関心が高まっています。

 6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨などで被災した自治体の一部が、ふるさと納税の仕組みを通じて寄付金を募っています。「ふるさとチョイス」や「さとふる」など、手続きを委託された専用サイトが、被災自治体ごとの情報をまとめ、寄付専用ページを設けています。

 寄付する場合はサイト上で寄付する自治体を選択し、クレジットカードや銀行振り込みなどにより支払います。ふるさと納税サイトは使い慣れた人が多く、速やかに寄付しやすいでしょう。

 被災自治体に寄付すると、税金の控除の対象となります。ふるさと納税では、自分の所得などに応じて決まる上限額の範囲内であれば、1年間の寄付額から、2000円を引いた分が所得税と住民税から控除されます。

 控除を受けるには通常、確定申告が必要ですが、「ワンストップ特例」を利用すれば申告は原則、不要となります。1年間に寄付した先の自治体数が5つ以内であることが条件です。ただ、医療費控除などを受けるために確定申告をする場合は寄付金控除について改めて申告する必要がある点は覚えておきましょう。

■特例申請書を送付

 今年すでに、返礼品を受け取る目的で通常のふるさと納税をしたことのある人は、寄付先の自治体数を確認しておきましょう。ワンストップ特例を受ける際は申請書を自治体に送ることになります。

 被災自治体が、銀行に寄付専用口座を設けるなどして直接、寄付金を募る例もあります。この場合の控除の扱いはふるさと納税と同じです。ワンストップ特例も利用できます。寄付した自治体から申請書を取り寄せて記入し、自治体に送ります。

 このほか日本赤十字社や中央共同募金会が、被災者への支援を目的として専用口座を設け、義援金を募集しています。集まった義援金は全額を被災地に届けます。この場合の義援金もやはり控除の扱いはふるさと納税と同じです。

 ただし、ワンストップ特例は対象外です。控除を受けるには確定申告が必要になります。寄付すると日本赤十字社などは受領書を発行してくれます。確定申告に備えてとっておくとよいでしょう。

 ふるさと納税による寄付額が上限額を超えたとしても、被災地に寄付して税金の控除を受けることは可能です。通常の寄付金として所得税の寄付金控除と、住民税の税額控除の基本分が適用されます。寄付金控除は所得の40%、住民税の税額控除は30%が上限です。税理士法人エム・エム・アイ代表社員の高橋節男さんは「上限が大きいのでそれほど気にする必要はない」と助言しています。

[日本経済新聞朝刊2018年8月11日付]

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