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土佐の赤かつおシリーズ。高知市内でしか売られていなかった商品も、今では関東圏のコンビニでも見かけるほどの人気ぶり

土佐の赤かつおシリーズ。高知市内でしか売られていなかった商品も、今では関東圏のコンビニでも見かけるほどの人気ぶり

日経MJの人気コラム「竹内謙礼の顧客をキャッチ」が『200社に足を運んでわかったお客さんがホイホイ集まる法則』(日本経済新聞出版社)のタイトルで1冊の本になりました。5年間250回にわたる連載の中から、一押しのノウハウ50の事例を選び、再取材の上、大幅加筆してまとめたものです。その50の事例から、10例を抜粋して紹介します。6回目は、魚屋さんが生み出したヒット瓶詰です。

◇  ◇  ◇

「仕入れて売る」というビジネスモデルが、以前よりも厳しさを増している。インターネットを見れば同じ商品が定価よりも安く売られており、郊外の大型スーパーでは類似商品やPB商品が低価格で並んでいる。どんなに売れる商品を仕入れてきても、すぐに価格競争に陥ってしまい、売り手はあっという間に薄利商売に追い込まれてしまう。

しかし、だからといって他社で取り扱っていないオリジナル商品を製造販売することには、大きなリスクが伴う。

売れる商品のアイデアを常に出していかなくてはならないし、新商品を作るために製造工場を構えたり、金型を買い揃えたりしなくてはならない。また、在庫リスクを抱え、売り場での陳列方法やセールストークをゼロから考えなくてはいけない。

いくら仕入れ商品より利益率が高いと言われても、これだけの高いリスクを抱えるとなると、中小企業はオリジナル商品へのチャレンジに対して尻込みしてしまう。

ここではオリジナル商品開発の厳しいハードルを乗り越え、小さな魚屋さんが瓶詰の大ヒット商品を生み出した事例を紹介しよう。

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上町池澤(高知県高知市)の池澤秀郎社長は、会社を継いだ当初から自社のオリジナル商品を作りたいという思いを抱いていた。しかし、本業は刺身や干物を販売する鮮魚店である。商品を開発した経験もノウハウもなかった。

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