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被災者にローン減免制度 手元に残せる現金も増加 弁護士 志賀剛一

2018/8/16

道路脇に積み上げられた家財道具などの災害ごみ(7月12日、岡山県倉敷市真備町地区)
Case:38 西日本豪雨で店舗兼自宅が土砂で埋まり、まったく復旧のめどが立ちません。まだローンも残っていますが、いずれ蓄えも底をつくので返済が滞るのではないかと心配です。再建にも費用がかかるし、どうしたらよいか途方に暮れています。

■住まいの再建、最大300万円の支援金

あなたが住んでいる地域は被災者生活再建支援法が適用されていますか? 西日本豪雨では広島、岡山、愛媛は県内全域、その他の県でも特定の市町村に適用があります。

同法では住宅の被害の程度に応じ、全壊なら100万円、大規模半壊で50万円の基礎支援金が支給されます。また、住宅の再建方法に応じ、建設・購入なら200万円、補修なら100万円、賃借なら50万円の加算支援金があります。最大300万円ということになります。

また、災害救助法で定める応急修理制度では、58万4000円を修理に充てることができます。ただ、同制度は仮設住宅に入居せずに住まいを修理して住み続けることを目的とした制度なので、これを利用すると仮設住宅に入れなくなる点には注意が必要です。

■「被災ローン」の減免制度、16年に開始

残っている住宅ローンはどうしたらよいでしょうか? 日本では長期にわたる住宅ローンが一般的に普及しているため、自宅が災害でなくなったにもかかわらず、多額のローンだけが残り、被災者の生活再建を阻む大きな壁となります。

1995年の阪神大震災の際にもこのことが問題になりましたが、ローン債務の減免や住宅再建・補修費用への公的な支給は見送られました。その後、98年に被災者生活再建支援法が成立。さらに、07年の改正で自然災害により全壊・半壊した住宅の再建・補修費も支援の対象となりました。

これが前述の給付金ですが、率直に言ってこれだけで被災者の方が再建できるわけではなく、ローン(被災ローン)を減免する必要があります。そこで東日本大震災の被災者を対象に「個人版私的整理ガイドライン」が11年8月にスタート。一定の要件を満たす被災ローンの減免ができるようになりました。

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