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「ヨーロッパは単に軍事力というハードパワーだけではなく、活版印刷術というソフトパワーによっても世界を支配していった」(139ページ)

「ヨーロッパは単に軍事力というハードパワーだけではなく、活版印刷術というソフトパワーによっても世界を支配していった」(139ページ)

モノやカネ、情報が自由に移動する経済のグローバル化は、世界経済の成長をもたらしてきた。一方、近年では一部の富裕層に富が集中する格差問題といった負の側面にも注目が集まっている。今回の書籍「逆転の世界史」は、人類700万年の歴史をグローバリゼーションという新たな視点から解説。中国の一帯一路構想という「今」に至るまでをみる軸を提示する。

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著者の玉木俊明氏は、1987年に同志社大学文学部を卒業し、93年に同大大学院の博士課程の単位を取得退学。講師、助教授を経て2007年に京都産業大学経済学部の教授になりました。専門は近代ヨーロッパ経済史で、「人に話したくなる世界史」(文春新書)など多くの著書があります。

グローバリゼーション、出発点はアフリカ

著者は、「人類はこれまで三度、大きなグローバリゼーションを経験した」と述べます。第1次は、アフリカで進化した人類「ホモ・エレクトス」の一部が寒冷化に見舞われたアフリカを出て、インドやインドネシア、中国、中東地域などに移り住んだことです。ただ、ホモ・エレクトスは、その後絶滅してしまいました。第2次は、現代人につながる「ホモ・サピエンス」が、やはり故郷であるアフリカから世界各地に広がったことです。これが15万~10万年前と7万~5万年前の2回あったといいます。

世界に散らばった人類は農業をするようになり、各地に文明が興ります。著者は、そのなかでも中国に多くの紙数を割きます。黄河流域では、紀元前211年に秦の始皇帝が中国を統一。秦が滅んだ後、まもなく漢王朝が成立するなど、ほかより早く広大な地域が統一状態になり、それが長く続いたからです。この間に貨幣や文字は統一され、また中央集権体制の下で「商業活動に付随するさまざまな費用が大きく低下」したことなどから、当時の世界では、かなり経済の水準が高くなったのです。

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