マチがあるから使いやすい ミニショルダーポーチ3選
街でもアウトドアでも使える人気急上昇のサコッシュ(下)
この夏、大流行しているミニショルダーバッグ「サコッシュ」。その人気に後押しされ、サコッシュより小型でマチがあるポーチ型のミニショルダーも再注目されているという。
「1990年代前後から、アウトドアブランドのバッグの街使いが定着したこともあり、ミニショルダーバッグが一気に人気になりました。以来、安定して売れ続けていたのですが、最近の90年代リバイバルブーム、そしてサコッシュのブームの影響でさらに人気が高まっています」(吉田カバン広報の阿部貴弘氏)
小振りなウエストバッグやショルダーバッグの売り上げは全体的に伸びており、なかでもポーチ型が人気とのこと。サコッシュよりもサイズは小さいが、マチがあるため、膨らんだ二つ折り財布なども難なく収納できる。
「2018年秋冬の新作として、小さめのショルダーバッグ/ポーチをいくつか発表していますが、展示会での小売店やメディアの方の評判もよく、店頭での人気も期待できる反応でした」(阿部氏)
定番アイテムだけに、一過性のブームではなく、今後も長く使えるポーチ型ショルダーバッグ。今回は、注目作3つを紹介する。サコッシュにするか、ポーチショルダーにするかは、入れる荷物と自身のコーディネートを考えて選ぶといいだろう。
ポーター/小振りでも収納力抜群
最初に取り上げるのは、ポーターを代表する「タンカー」シリーズのショルダーバッグ。97年に発売されたモデルだが、いまも人気がまた高まっており、「17年の店頭販売実績は前年より4割程度高かった」(阿部氏)。
発売当時は、ポータブルCDプレーヤーを収納するイメージで開発されたという。そのためデザインはスクエアフォルムで、内装にCDプレーヤーを固定するためのストラップが付いている。バッグ本体からイヤホンコードを引き出せる作りになっているが、この仕様は今もスマートフォン(スマホ)からイヤホンを引き出すときなどに活躍するだろう。
開口部はコの字に大きく開き、ポケットも充実している。生地はもちろんタンカーシリーズ最大の特徴である、フライトジャケット「MA-1」をモチーフにして開発されたオリジナル生地。3層構造のボンディング素材による柔らかな感触と、裏面の鮮やかなオレンジカラーが魅力だ。
「タンカーシリーズは、ポーターブランドのベストセラーで、幅広い年齢層のお客様から支持されていますが、このショルダーバッグも発売から20年以上たったロングセラーモデルです。肩から提げることで、洋服のポケットが1つ増えたようなイメージでお使いいただけます」(阿部氏)
アッソブ/大人に似合うデザインが魅力
18年春夏の新作にポーチショルダーを発売したのが、人気バッグブランド「アッソブ」。「サコッシュは子どもっぽくなってしまうので、大人でも手軽に使えるミニショルダーを提案しました」(アッソブを展開するUNBY PRプレスの齋藤親子氏)。その言葉通り、単色で落ち着いた印象にデザインされたポーチショルダーは、大人の休日使いに最適だ。
本体の素材には、程良い光沢感のあるナイロン糸と、毛羽を抑えて製造されたコットン糸を平織りしたオリジナルの 「60/40NC グログラン生地」を使用。ボリューム感のある独特の風合いが特徴で、使っていくうちにビンテージ感も出てくるという。
小さいながらも外ポケット・内ポケットを装備。立体的なフォルムのため、二つ折り財布なども収納できる。財布、スマホ、キーホルダーといったものを入れるのにちょうどいいサイズだ。開口部は左右どちらからも開けやすいラウンドファスナーのため、使い勝手もいい。
「購買層は20~40代までと幅広く、タウンユースだけでなく、野外フェスやキャンプなどでも活用されています。カラーによっては、店頭に出るとすぐに完売してしまうほどの人気です」と齋藤氏。特にブラックとカーキ、グレーの人気が高いそうだ。
グレゴリー/アウトドアレジャーの定番
グレゴリーのミニショルダーバッグ「クイックポケット」は、キャンプや野外フェスをはじめとするアウトドアレジャーのサブバッグの定番。丸みのあるフォルム、カラーバリエーションも豊富なので、男性でも女性でも持ちやすい。
立体的な作りのため、メインコンパートメントは大容量。財布やスマホはもちろん、デジカメからハンドタオルまでしっかり収納できるので、レジャーシーンや旅先での散策に活躍するだろう。フロントにはマチ付きのファスナーポケットを備えており、カギやコインケースなど、よく使う小物も、仕分けして持ち歩くことができる。
ショルダーストラップは取り外せるので、ポーチとしても使用できる。また、背面にはループストラップが付いており、ベルトやリュックに装着することも可能だ。この汎用性の高さも人気の理由だろう。
グレゴリーを展開するサムソナイト・ジャパン マーケティング部の石賀愛氏によると「ここ数年、小振りなショルダーバッグ全体が好調」とのこと。クイックポケットは、今回紹介したMサイズのほかSサイズ(W12×H16.5×D5.5cm)もあるが、どちらも男女問わず人気で、「20代後半~40代半ばまで幅広い年齢層に支持されている」という。
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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