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「幻のTPP」が生んだ純国産 鎌倉シャツ、狙うは海外 メーカーズシャツ鎌倉 会長 貞末良雄氏(1)

2018/8/12

「希少性の高い超長綿を原料にしました。肌触りはシルクと変わりません。紡績は兵庫県西脇市の工場で、縫製は福岡県の協力工場に委託しています。経済産業省の『ものづくりサプライチェーン再構築支援事業』にも採択されました」

――衣料品の国内生産数は年間1億点を下回る水準です。

「繊維産業は労働集約的な側面もあるので、地方再生などにも貢献できます。海運の輸送コストも上昇傾向にあり、国内で一貫生産するメリットが見直されてもよいと考えています」

「戦後70年以上にわたり、高品質の衣料を生み出せる職人を常に確保してきたことが日本の強み」と語る

――米国がトランプ政権の誕生でTPP交渉から離脱し、当初のもくろみは外れたものの国産シャツは品質にこだわる国内消費者の需要を開拓しました。

「ぬめり感を帯びた光沢と、肌を滑っていくような上質な着心地が自慢です。これだけ品質の高いワイシャツは、中国などではまだ生産できないでしょう」

「戦後70年以上にわたり、こうした高品質の衣料を生み出せる職人を常に確保してきたことが日本の強みです。実際、欧州の高級ブランドも日本の縫製工場に強い関心を持っていると聞きます」

■日本製シャツを受け入れた米国のアイビー愛好者

「70年代以降、日本の繊維工業は生産拠点を海外に移転してきましたが、技術的には世界のトップレベルを維持していることを再確認できました、日本のシャツを世界に広めていくことは十分可能です」

「実際、米国の消費者は日本製シャツを受け入れてくれています。ボタンダウンに象徴されるアイビースタイルが基本です。2012年に開いたニューヨークの直営店はアイビー愛好者を中心に販売を増やしています」

《連載一覧》
(2)大切なことは全部、VANで学んだ 鎌倉シャツ会長
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(4)装いは礼節の一歩 軽視して成功なし 鎌倉シャツ会長

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