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人斬り侍、外国人が悲鳴 お化け屋敷でニッポン堪能

2018/8/23 日経MJ

外国人客を想定し、侍をテーマに日本らしさを打ち出した(松竹提供)

松竹が9月2日までの夏季限定で東京タワー(東京・港)に開いているお化け屋敷。4回目となる今年は訪日外国人客の来場を想定し、侍をテーマに日本らしさを打ち出した。入場前に外国語の映像を見せてストーリーを理解してもらう。映画で培った音や光の演出で、海外のお化け屋敷とは違う「日本ホラー」で怖がらせる。

「東京タワーの赤い鎖 怨念の地下屋敷」は、古い屋敷跡を人斬り侍の亡霊がさまようという設定だ

お化け屋敷「東京タワーの赤い鎖 怨念の地下屋敷」は、訪日客の来場を意識して制作した。古い屋敷跡を人斬り侍の亡霊がさまようという外国人にも分かりやすい設定にした。日本語の使用を減らし、日本語が理解できなくても楽しめるようにナレーションなどを使わない。

訪日客には入場前に英語など3カ国語に対応した短い映像を見せて、お化け屋敷のストーリーを理解してもらう。入場料は大人900円。

松竹の映画美術スタッフが中心となって音や照明を工夫し、独自の怖さを出すことにこだわった。「海外ではドラキュラやギロチンなどを使って怖さをストレートに表現する傾向がある」と事業推進室イベントプロモーション担当の飛田紗里氏は話す。

怖い場所が分かりやすい海外のお化け屋敷に対して、松竹では「お化けがいつ出てくるか予測できない怖さ」を出したという。

不気味な音を随所に出すことで「来場者は常に何か起こるかもしれないと思って恐怖を感じる」と飛田氏は話す。照明も明暗を使い分けて暗さに目が慣れないようにし、お化け屋敷内をより暗く感じさせる。

訪日客らは、自国のお化け屋敷にはない怖さがあったと口をそろえる。中国出身の男子学生(20)は「次々に何かが起こるから、怖くても走れなかった」。ベルギー出身の男子学生(19)は「ベルギーのお化け屋敷よりも暗くて音も怖かった」と息を弾ませた。

松竹のお化け屋敷では訪日客が年々増えており、昨年度は来場者の約4割が外国人だった。訪日客の取り込みを狙ってホテルやバスツアーの申込所などで宣伝。今年度は来場者数、外国人比率ともに昨年度を上回る勢いという。

松竹は昨年、中国の上海と重慶でお化け屋敷を開催し、ピーク時には3時間待ちになった。来場者は予想を上回り、開催期間を延長した。今後も訪日客を念頭に置いたお化け屋敷を企画し、海外のイベント会社などとの連携も検討する。

[日経MJ2018年8月8日付を再構成]

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