――成功事例はありますか。
高橋氏「宮城県女川町のある企業は、通常のルートで経営コンサルタントに経営相談をすると、『これが正しい型です』と決まった解決策を示し、『実行するかどうかは企業側の勝手ですよ』というスタンスの人しかいない、と不満を感じていました。YOSOMON!サービスを通じて、同社と、大手人材紹介会社で地域課題を解決するプロジェクトの企画・提案を担当するAさん(30代男性)、フリーの人材コンサルタントのBさん(40代女性)のマッチングに成功し、業務委託契約を結びました。スタート時に現地でミーティングを開き、その後は遠隔で業務を推進しています」
――地方企業が求めるような、専門知識やスキルがある人材には限りがありませんか。
高橋氏「例えば、経理を20年担当してきた方が、地方企業に助言するような事例はありえるでしょう。シニア層への広がりも期待できます」
伊藤氏「むしろ、受け入れ側の地方企業をもっと開拓しなければならないと思っています」
――副業の解禁にはなお慎重な企業も多いですが、今後の見通しは。
高橋氏「大企業の間でも、副業なのか研修なのか迷いはありつつも、社外に人を出したいという声は高まっています。副業や兼業を認めない企業には人材が集まらなくなるでしょう。日本企業は横を気にして動く傾向があるので、代表的な企業が解禁すれば、副業を認める動きも一気に広がる可能性があります」
(編集委員 前田裕之)