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ワインと古城とミュシャ 女性がはまるチェコ大人旅

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NIKKEI STYLE

チェコ共和国(以下チェコ)と聞けば、スメタナの名曲『わが祖国』で首都プラハの雄大な川を描いた「モルダウ」の旋律が頭の中に流れる。また、華やかで装飾的なアール・ヌーヴォーを代表するアーティストのアルフォンス・ミュシャ(チェコ語でムハ)の絵も思い浮かぶだろう。自然も豊かな南モラヴィア州の出身のミュシャの足跡をたどってチェコ南部の文化と食を味わう旅を案内しよう。

旅のスタートはウィーンから車でわずか1時間半、チェコとオーストリアの国境に近い南モラヴィア州ミクロフの街。人口7400人という小さな街は、石畳の道に赤い屋根の家が並びとてもかわいい。郊外の聖なる丘に登るとそんな街の絶景が見渡せる。

ナポレオンも逗留したという美しいミクロフ城

ミクロフはワインの生産地として知られている。ナポレオンも逗留(とうりゅう)したという美しい古城、ディエトリフスタイン家が建てたミクロフ城には、ルネサンス様式で中央ヨーロッパ最大という巨大なたるが今も置かれている。17世紀はじめの30年戦争でひび割れてしまったが、それまでは街の人が税金として収めたワインをここにためていたそう。

チェコの誇る画家でありデザイナー、アルフォンス・ミュシャはここミクロフにやって来て肖像画などの仕事で生計を立てていた時に、領主である伯爵兄弟と出会い弟のエゴン伯爵の援助を受けることになる。ミュシャが度々訪れて滞在したという宿「Tanzberg(タンズベルク)」が残っていて、今はレストランになっている。

かつてユダヤ人の大きなコミュニティーがあり墓地も残るミクロフで、このレストランには珍しい「ユダヤ人ディナー」というメニューがある。アヒルの肉のコンフィ(オイルにつけて焼き上げたもの)やコイの料理がメインの3品または5品のディナーだ。食後にレストランのカーブでチェコのワイン・テイスティングも楽しめる。

リヒテンシュタイン家の夏の邸宅レドニツェ城

翌日、17世紀から20世紀にかけて南モラヴィアを支配していたリヒテンシュタイン家の邸宅や広大な公園のあるレドニツェ-ヴェルティツェ地域へ。

世界遺産に登録されているレドニツェ-ヴェルティツェの文化的景観は、全体で約300平方キロメートルもある広大なもの。まずはリヒテンシュタイン家の夏の邸宅であったレドニツェ城を訪れる。

ゴシック要塞が17世紀にはリヒテンシュタイン家によってバロック様式に、そして19世紀半ばに現在のネオゴシック様式に。眼前にフランス式の整えられた庭園が広がり、広大な敷地は、運河をボートで移動したり、馬車を利用したりする人も。

オークをふんだんに使った豪華絢爛(けんらん)な城内は、角がいっぱい飾られたハンティングルームやアフリカ部屋、オリエンタル部屋などテーマのある部屋、2000冊の蔵書を誇る図書室など見応え十分。当時の貴族の暮らしは豪勢そのもの。

人々が肉好きのチェコらしい豚のすね肉の塊が出て来るランチで満腹になった後、もう一つのリヒテンシュタイン家の邸宅ヴェルティツェ城へ。訪れた目的は、地下にある国立ワイナリー・センター。毎年、チェコ全域2000本のワインによるコンテストが開催され、その中から厳選された100種類をここで試飲することができる。16種類を試飲する100チェココルナのコースや150分試飲し放題の499チェココルナのコースなど、チェコのワインを堪能することができる。

ミュシャの生まれ故郷イヴァンチツェ

ヴェルティツェから車で1時間ほど走れば、ミュシャの生まれ故郷イヴァンチツェだ。生家はもう存在しないが12歳まで住んだ家は「アルフォンス・ミュシャ記念館」になっている。ミュシャの生涯をたどる写真の数々が飾られており、『スラブ叙事詩』の習作や見覚えのあるミュシャの絵に登場するモデルの写真などもあって興味深い。

バロック建築と現代的な建物が違和感なく並ぶブルノ

次に向かうのは、南モラヴィア州の州都でチェコ共和国第2の都市ブルノ。バロックやネオゴシック建築と現代的な建物が違和感なく並び、とにかくきれいで歩いていて気持ちいい。美食の街としても知られ、しゃれたレストランやカフェやバーを探すのには事欠かない。

ブルノの観光名所となっているシュピルベルク城は、700年以上前にモラビア伯爵の居城として建てられ、要塞、そして刑務所と数奇な変遷を経て、今は歴史的展示品が並ぶミュージアムだ。夏は城内でオペラや音楽会が催され、なんとも優雅な夕べを楽しむことができる。

ミュシャの『スラブ叙事詩』に圧倒される

古城や古い教会とアール・ヌーヴォーとが共存する街、ブルノのエキシビションセンターでは、ミュシャの『スラブ叙事詩』20点中の9点が展示されている。スラブ民族の神話や歴史が描かれた壮大な作品で、大きな作品は高さ6メートルに幅8メートルと圧倒される。

サラベルナールの上演ポスターなどイラストレーションのような作品を思い浮かべがちのアルフォンス・ミュシャのイメージが覆り、その愛国心に心打たれてしまう。

多くの古城や教会などが時を超えて美しい姿を保つチェコ南部。アール・ヌーヴォーは、そんな装飾的な美の歴史が世紀末に昇華したものなのだと自然に実感できる旅だった。

小野アムスデン道子
 世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスに。東京と米国・ポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。

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