マネー研究所

もうかる家計のつくり方

30歳息子が「役者になる」 仕送りが招く家計共倒れ 家計再生コンサルタント 横山光昭

2018/8/8

■ズルズルと続けた息子への仕送り

夫婦は今まで息子に多額の教育費をかけて手厚く育てていました。大学を卒業後、急に「役者になる」と家を出て、今までずっと夢を追いかけています。アルバイトなどをしながら一人暮らしをしていますが、レッスンばかりで役者として収入になる仕事はあまりなく、生活ができていません。そのため、「仕事が安定するまで」という約束で息子が25歳の時から仕送りを始めました。2人とも収入があり、生活に困窮していなかったので、ズルズルと仕送りを続け、30歳になった今も息子はその仕送りに頼って暮らしています。Sさんは「払えるから」と仕送りを続けることで、子どもが独立した後のためどきにお金をためられず、自身の老後資金不安を招いているのです。

Sさんにはまず、「30歳の大人が、親のすねをかじるように暮らすのはどうなのか?」と問いかけ、仕送りの減額または中止を提案しました。ただ、急に生活ができない状況をつくると、子供も困るでしょうから、よく話し合うようお願いしました。

他の支出の削減はスムーズに進みました。食費は食材の無駄を出さず、節約を意識したやり繰りを提案。「息子が出ていってから少しだらけてしまっていたので、気合を入れます」と言い、すぐ削減できました。職場の交際費はまた、小遣いの範囲でやり繰りしてもらい、自動車の費用は繰り上げて支払い、手数料分を節約しました。生命保険は特約部分を見直して、保険料負担を減らしました。

■話し合いの末、仕事探しを始めた息子

難航したのはやはり、息子への仕送りの削減でした。息子が生活できるほどの収入を得られず、中止できなかったのです。ただ、数年ぶりに息子とSさん夫婦が互いの生き方を話し合いました。結果、息子は「今のままで、今後役者としてうまくいくことがあるのか?」と自問を始めました。その後、「役者は趣味として、万が一仕事にできることがあればラッキーかもしれない」との思いで取り組むことにし、企業の正社員を目指して就職活動を始めました。

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