マネー研究所

もうかる家計のつくり方

30歳息子が「役者になる」 仕送りが招く家計共倒れ 家計再生コンサルタント 横山光昭

2018/8/8

写真はイメージ(=PIXTA)

 「このまま夫が定年を迎えると、老後は暮らせないのではないでしょうか」。女性公務員のSさん(56)が青ざめた表情で、家計相談にやって来ました。Sさんは大手企業に勤める夫(59)との2人暮らし。独身の一人息子(30)が離れて暮らしています。夫婦は「退職金があるから問題ないはず」と老後資金をためないままここまで来ています。それ以上に問題なのが、「役者になりたい」と夢ばかり追い続ける息子への多額の仕送りだったのです。

■共働き、老後は何とかなると構えていたが…

 まず夫婦の収入を見てみます。2人で計60万円弱ありますが、貯蓄をしっかりしていませんでした。年金もある程度出るだろうし、それぞれ退職金が2000万円前後、合計4000万円が手に入る見込みだったので、老後資金は心配ないだろう、とのんきに構えていました。

 老後資金不足の対策として、最近は再雇用制度を利用して仕事を続ける人が多いです。3歳年下の妻は自分がやりたいと思っていた仕事に転職する希望がありますが、夫は「仕事に疲れた」と言って、そのまま退職したい意向。妻はこのまま夫が退職して収入がなくなってしまったら、今の暮らし方では資金が長持ちしない、と危機感を抱いています。

 支出は月47万円ほど。月12万円ほどの余剰金がありますが、1年ほど前に住宅ローンを完済しており、返済がなくなった分が余剰金になっているだけでした。住宅ローンを完済するまで、貯蓄はできていなかったのです。

2人で月47万円を使う生活はさぞかし、各支出項目が膨らんだ「メタボ家計」になっているだろうと思っていましたが、極端に支出が多い項目が見当たりません。よく見ると、息子への仕送りが大きな負担になっていました。

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL