「市場昇格」や株式分割先回り 5年連勝投資家のワザ2018年個人投資家調査(4)

日経マネー

この手法がはまったのが、17年6月に投資を始めたネオジャパン(東1・3921)だ。同社は6月22日に株主優待の新設を発表。その後株価上昇の勢いが弱まったのを見て1000株を購入した。「当時の同社株は700円程度だったが、優待利回りから逆算して1000円程度までは株価が上昇するかなという期待はあった。ここに指定替えがあればさらなる上昇が見込めると判断した」のだという。

HAYATOさんの狙いは当たった。まず、10月に立会外分売が実施され、その後に優待の実質拡充と株式分割が発表された。これに伴い株価は急騰。一時はメドとなる1000円を大きく上回ったが、「指定替えが近いうちにある」と判断したHAYATOさんは「(あえて売らないという)握力をここでかけた」。

最終的に同社は18年1月に東証1部への指定替えを発表。大幅に上昇した発表直後のタイミングで、HAYATOさんは優待取得に必要な株式だけを残して全て売った。購入時の2倍以上の株価で売った計算だ。

HAYATOさんの勝ちワザ:市場指定替えとそれに伴うイベントを先回り

売り時は「できるだけ早めに、最大の利益を追わずにコツコツと利益を積み重ねるイメージで売っている」と話す。以前はIPO(新規株式公開)株が上場した後に投資する「セカンダリー投資」を主力としていたが、売り時の難しさからストレスで体調を崩してしまった経験を糧に、現在のリスクを抑えたイベント投資に切り替えたという。

イベントでは公募増資にも着目している。特に大型の公募増資では希薄化懸念から株価が急落するため、「空売りをかけて利益を得られる可能性が高い」と話す。大型増資の機会は少ないが、ローリスクで利益が得られる好機として注目している。

HAYATOさんはイベント投資以外にIPO株投資も手掛けている。こちらは上場前に株を購入する「プライマリー投資」に専念。「公募価格割れしそうにない銘柄に応募し、当選した場合は上場日朝の気配値を見てその少し上で売り指し値を出してすぐに売り抜ける」という。イベント投資同様、できるだけローリスクの投資を心掛けていると言い、「昨年のSGホールディングス(東1・9143)のような大型IPOは当選しやすいため、大量に買って薄利多売の戦略を取っている」と話す。

(日経マネー 川路洋助)

[日経マネー2018年8月号の記事を再構成]

日経マネー 2018年 10月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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