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「市場昇格」や株式分割先回り 5年連勝投資家のワザ 2018年個人投資家調査(4)

日経マネー

2018/8/30

(イラスト:タニグチコウイチ)
日経マネー

日経マネーの個人投資家調査で、2015年から3年連続でリスク資産の運用成績が5%以上プラスだった「3連勝さん」。また、16年と17年の2年連続で20%以上プラスの「大勝ちさん」。彼らは、15年の世界同時株安や16年のブレグジット・ショック、その後のトランプ米大統領の言動に振り回される相場などを乗り越え、勝ちを収めてきた腕利きの投資家だ。そんな3連勝さんや大勝ちさんの投資手法について、具体的に見ていこう。前回記事「勝負銘柄の急騰待つ バリュー株投資、大勝ちの流儀」に引き続き、今回は東証1部昇格や株式分割といった「株式イベントに先回り」のスタイルを紹介する。

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HAYATOさん(仮名)は市場の指定替えや株式分割といった株式イベントを先回りして投資するスタンスだ。これらのイベントは株価上昇につながりやすいため、うまく先回りできれば大幅な上昇が見込める。HAYATOさんは2013年から17年まで全て10%以上のリターンを出した「連勝さん」だが、高い安定性の背景にはこの投資手法が実はリスクを抑えた方法である点があるという。

HAYATOさんがイベントで最も重視するのは、東証1部などへの市場の指定替えだ。指定替えには株主数など一定の条件を満たさねばならないため、企業側はその前に株主数を増やすための施策を打つことが多い。

この施策の中で一番早く行われることが多いのが、株主数の増加に直結しやすい株主優待の新設だ。HAYATOさんは「ジャスダックなど新興企業が優待を新設した場合、将来指定替えがあるかをまず考える」という。

優待新設の発表後しばらくして株価が落ち着いた時点で買いを入れ、上昇までじっと待つのがHAYATOさん流だ。この際に優待品の金額が足元の株価を上回っていれば、「株価が優待品金額にサヤ寄せすることが多いため、上昇期待が高い」という。将来のイベント発生待ちも含めて、HAYATOさんは優待新設銘柄を常に5銘柄ほど監視リストに入れている。

イベント投資で株主優待に着目するのは、リスクを抑える上でも重要だ。「優待新設を機に大きく値上がりしたらそこで売るし、値が下がったら指定替えなど次のイベントまで待つ。思うようにイベントが発生しなくても、最低単元だけ持って優待をもらえばいい」とHAYATOさんは話す。株価がどう転んでも、あるいは企業が次のイベントに動かなくても、大きな損失は被りにくいというのがこの投資法のポイントだ。

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