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高級時計ショパール、「倫理上不適切」な金を全面排除 「エシカルゴールド」に100%転換

2018/8/10

ショパールのカール・フリードリッヒ・ショイフレ共同社長は「消費者はかつてないほどものづくりの背景を知りたがっている。10年前には考えられないほど」と話す

富裕層を顧客に抱えるラグジュアリーブランド業界でサステナビリティー(環境の持続可能性)への取り組みが進む。背景にあるのは、原材料の来歴を含む製品のエシカル(倫理的)な「素性」を強く意識する消費者の増加だ。スイスの高級時計・宝飾品ショパールは7月、使用する金すべてを公正な手段で採掘された「エシカルゴールド」に転換、注目を浴びる。流通経路を透明化し、宝石や貴金属の産地での過酷な労働や地域紛争といったイメージの払拭を狙う。カール・フリードリッヒ・ショイフレ共同社長は「フェアトレードで業界のトップランナーになる」と語る。




――エシカルゴールドとはどのようなものですか。

「倫理的、道徳的な見地から、環境保護や労働環境などで一定の基準を満たした鉱山・産地から調達した金のことです。ショパールの金はこうしたトレーサビリティー(生産履歴の追跡)が確実な2つのルートから調達されています。一つはSBGA(スイス・ベター・ゴールド・アソシエーション)に参画する小規模鉱山業者が採掘したもの、もう一つがRJC(責任ある宝飾のための協議会)が認定したものです」

――有力ラグジュアリーブランドでエシカルゴールドに100%転換した事例は初めてです。

「2010年にショパールが150周年を迎えたのを機に、今後どんな社会貢献ができるのか考えました。金の採掘では非人道的な労働や不正取引が横行しています。そこで10年にRJC、17年にSBGAに参画しました。まず13年にRJCから供給された金を使った製品を発売しました。この3月には(スイス開催の世界最大級の時計・宝飾品見本市)バーゼルワールド・ウオッチ&ジュエリーフェアで、7月からすべての金を責任ある供給元から調達することを発表しました」

「ショパールは自社に職人を抱え、金の鋳造をはじめ、製造におけるあらゆる技術を有する垂直統合型の会社です。原材料調達に関わるところまで管理することで、金のフェアトレードで業界のトップランナーとなります。働き手の労働環境改善などにつなげる一方、RJCなどに関わることで、エシカルゴールドの生産量を増やしたい」

ショパールは使用する金を100%エシカルゴールドに転換、素材の調達ルートにも敏感になりつつある消費者に対応する
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