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醍醐味は無数の「ありがとう」 五輪ボランティア

2018/8/9

リオ五輪のゴルフ会場で日本代表チームの丸山茂樹さんと写真に収まるボランティアの竹沢正剛さん(左)

 東京マラソンで第1回大会からボランティアを務め、2016年リオデジャネイロ五輪にも日本から参加した会社員の竹沢正剛さん(45)。日本スポーツボランティアネットワーク(http://www.jsvn.or.jp)の講師として企業や大学で話す機会も多い。スポーツボランティアの醍醐味や心構えについて聞いてみた。

◇   ◇   ◇

■東京に備えてリオに申し込む

 もともとスポーツに関わりたいと思っていて、Jリーグのクラブに履歴書を送ったこともあります。でも、今の仕事を辞める踏ん切りまでつかない中で、スポーツボランティアという活動に出合いました。

リオ五輪で2週間の休みをとるべく、職場では「部下から上司の順に伝えて機運醸成を図った」という

 東京マラソンでは手荷物預かりからコース誘導、給水係などひと通りやってきました。人生の中で1日にあれだけ多くの人から「ありがとう」といわれる経験はない。年を重ねるごとに役割も重くなり、楽しさを知っていきました。

 ボランティアの心構えは「お客さん」にならないこと。手伝いに来ました、ではなく、主催者のつもりで選手や観客に接する。それが大会の価値、日本っていい国だねという評価につながる。東京マラソンはランナー募集で落選した人がボランティアに回ってきています。ランナーで参加したときの好印象が次は自分も、と思わせるようです。

 東京五輪にボランティアで参加する、という目標ができたとき、経験を積む意味でリオ五輪のボランティアに申し込みました。英語の試験を受けたり、スカイプによる研修に参加したりして15年12月に合格通知のメールが届きました。

 ゴルフ競技の担当になり、自分で確保したホテルから毎日2時間かけてコースに通いました。来なかったボランティアがいて人手不足の中、ギャラリーの誘導やハザードのボール探しなんかもやりました。

 どうやって仕事を休んだのか、とよく聞かれるのですが、社内で「竹沢はリオ行くぞ」という機運醸成を図っていきました。部下から上司の順に広まるように。有給休暇による普通の夏休みです。いや、2週間は普通じゃないか。でも自分が休んだことが一つの先例になり、その後、他の社員も2週間夏休みを取る人が出てきた。2週間休んでも仕事が回るように調整したり同僚の間でサポートし合ったりするカルチャーが生まれた、と勝手に前向きに解釈しています。

■五輪終わった後も経験生きる

 今は応募を迷っている方も多いと思いますが、自分の街で開かれる五輪に参加できる機会なんて人生の中で2度とないでしょう。東京なら2週間も休まなくていいし、上司の方々は部下から相談されたら快く送り出してあげてください。

 五輪は2週間で終わりだけど、ボランティアの経験はその先にも生きるというのが僕の考えです。障がい者や外国人への理解が進み、地域のコミュニティーに関わる人が増えていけばうれしい。大会を成功させるのと同じくらい、ボランティア精神がレガシーとなることを願っています。

(聞き手は山口大介)

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