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成長株に集中投資 大勝ちする個人投資家の流儀を探る 2018年個人投資家調査(2)

日経マネー

2018/8/23

(イラスト:タニグチコウイチ)
日経マネー

日経マネーの個人投資家調査で、2015年、16年、17年の3年連続でリスク資産の運用成績が5%以上プラスだった「3連勝さん」は約1900人。また、16年と17年の2年連続で20%以上プラスの「大勝ちさん」は約370人いた。大勝ちさんの約7割は3連勝さんでもある。彼らは、15年の世界同時株安や16年のブレグジット・ショック、その後のトランプ米大統領の言動に振り回される相場などを乗り越え、勝ちを収めてきた腕利きの投資家だ。

そんな3連勝さんや大勝ちさんの投資手法について、具体的に見ていこう。今回は、「成長株に集中投資」するスタイルを紹介する。

◇  ◇  ◇

えじるさん(仮名)は中小型の成長株に集中投資し、2017年に年間130%のリターンを叩き出す「大勝ち投資家」となった。「16年までは著名な億万投資家のやり方をまねて投資していたが、これを自己流に切り替えたことが大きかった」と話す。

えじるさん流の成長株投資は、実地調査と財務分析を組み合わせたものだ。17年の投資では、外食や小売りといった消費者を相手にした「B to C」企業の中小型株を投資対象にしていた。「店舗を訪れることで、企業の現状が自分の目で分かるのが大きい」とえじるさんは話す。この感覚的な部分と、業績の数字という客観的な部分の両面から見ることで、どの銘柄に伸びしろがあるかを的確に見抜いたのが17年の勝因だ。

この典型が、ペッパーフードサービス(東1・3053)への投資だ。えじるさんは17年2月から6月にかけて同社株を購入した。買い始めた当初のペッパー株は700円前後で大きな値動きなく推移していた。しかし、「実際に店舗に行ってショッピングモール型の店舗を見た時、客入りの良さから成長するのではという予感を感じた」のだという。ペッパーは都市型で出店余地に乏しいとみていたが、郊外への出店拡大が今後の業績につながると考えを改めた。

月次売上高でも成長が続いており、株価も高くないのを見て購入を決めた。「成長力と株価との差が大きく、ゆがみがある」と見て取った。その後ペッパー株は急伸。同社株が当初の購入時から6倍程度になった17年8月に売却し、大きなリターンを得ることができた。

ペッパー株では月次売上高に着目したが、えじるさんはより細かい財務分析を行うこともある。それが「どのぐらいの売上高なら出店や有利子負債の返済コストを補って利益が出せるか」という「収支分岐点売上高」という考え方だ。

えじるさんの勝ちワザ:自分の目と財務分析を組み合わせて銘柄を選別

これは財務分析では一般的な、どのぐらいの売上高なら利益が出るかという「損益分岐点」の考え方を応用したもので、図の計算式ではじき出す。実際の売上高がここから出たメドとなる売上高より多ければ、財務コストなどを吸収して利益が出せる状態にあると言える。過去にはブロンコビリー(東1・3091)などをこの計算式から選別し、リターンを出したこともある。

えじるさんは実地調査や財務分析などから約30銘柄の監視リストを作り、そこから投資対象を基本的に5銘柄まで絞り込んでいる。「兼業投資家なのであまり多くの銘柄は管理しきれない」のが、集中投資にしている大きな理由だ。

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