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前川孝雄氏がすすめる「賢い立ち回り」のポイントは周囲を巻き込むことだ

前川孝雄氏がすすめる「賢い立ち回り」のポイントは周囲を巻き込むことだ

人工知能(AI)時代にも生き生きと働き続けるには、どんな働き方と職場環境を実現すればいいのか。リクルートで「リクナビ」編集長などを務め、人材育成のための研修やコンサルティングを手掛ける「FeelWorks」を創業した前川孝雄氏は、会社で「賢く立ち回ろう」と提案する。前川氏に働く人の成長とキャリア形成のポイントを聞いた。(前回の記事は「AIが奪うのは作業 仕事を生む人は働き続けられる」

前川氏は、経営者向けの講演・セミナーで話す機会が多い。そこで高圧的に振る舞うなど古いタイプのリーダーシップの問題点を指摘して演壇を降りた後、参加者から「でも、結局は今の若い連中が頑張れていないってことですよね」と感想を聞かされ、がっくりしてしまうこともあるという。狭い社会でキャリアを重ねてきた経験則重視型のベテラン経営者は「上意下達」的な体質に陥りがち。その弊害は、日本大学アメリカンフットボール部の悪質な反則問題でもあらわになったばかりだ。

「耐え忍ぶ」から「やりがい」へ

ただ、経営者が現代的な発想を持ち合わせていればいいかといえば、必ずしもそうではない。前川氏は、有名なベンチャー企業経営者との対談で働き手を取り巻く難しい現状を説明したところ、「じゃ、会社をやめりゃいいじゃん」と、あっさり言い放たれてしまったことがあるという。勤め人の経験を持たない、生粋の起業家にとっては、気に入らない働き方を続ける選択肢はないのかもしれない。ところが、「普通の人」はそう簡単に勤め先を変えられない。

前川氏は「日本は仕事で得る満足度が諸外国に比べて低いといわれる。経営層が気付いていない、よどんだ空気が一因になっている可能性がある」と、懸念を隠さない。プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険が、2018年に還暦を迎える男女2000人に「自分の人生を漢字1文字で表すと?」と尋ねたアンケートで、男性の1位は「忍」だった。「これでは若い人に希望がない」と前川氏は心配する。

耐え忍ばなくても済む仕事環境へ変えていくには、若手・中堅社員の自発的な改善提案が有効だ。しかし、上司にもの申してはみたものの、頭ごなしに否定され、くじけてしまうようなケースも多そうだ。それで行き着く先は「面従腹背」。アクションを起こした結果、芽を摘まれてしまうような環境は働きづらい。若い働き手が「変わらない企業体質、高圧的な上司」に絶望感を抱いてしまうような状況を変える手立てはあるのだろうか。

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