大企業で働く人が転職を考えるにあたって邪魔になりがちなのは、余計なプライドと金銭感覚だという。「中小企業に移ると、収入が減る。どうしても年収700万円は維持したい」といった発想が目を曇らせる。「本当に700万円稼がないと、暮らしていけないのか。自分のプライドと年収を釣り合わせてはいないか」と、前川氏は問いかける。

転職エージェントを利用する場合は「目先の年収レベルに惑わされないように」と前川氏はくぎを刺す。エージェント側は1年目の年収の3割程度を手数料として受け取るのが業界の通例とされ、年収レベルの高い転職先をあっせんしてくることが少なくない。ただ、70歳まで働くと思えば、50歳からの転職でも20年間の勤め先となる。仕事内容に納得して働けそうか、自分のポジションは居心地がよいかなど、給与以外の面をじっくり検討して選ばないと、ジョブホッピング(短期間での転職の繰り返し)になりかねない。

前川氏が勤めたリクルートでは、38歳で辞めると退職金が最も多くなる「フレックス定年制」があった。そのおかげで「人生の締め切りを早めに設定できる効果があった」という。東京大学大学院の柳川範之教授は40歳定年制を提唱して論議を呼んだが、前川氏は「キャリア形成を考えるうえでは意味のある提案」と評価する。いったん立ち止まって、自分のキャリアを棚卸しし、納得いく報酬か、働きがいは十分かなどを確認し、転職や起業といった選択肢と見比べるタイミングとして活用してもいいだろう。

前川孝雄
 FeelWorks代表取締役、働きがい創造研究所会長。1966年兵庫県生まれ。大阪府立大学卒。リクルートで「リクナビ」「就職ジャーナル」などの編集長を歴任。2008年にFeelWorksを創業し、「上司力研修」「人を活かす経営者ゼミ」などを手掛ける。

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