定年再雇用で給与が下がったら… 給付金でカバースキルアップには助成金

65歳以上で仕事を探す人には、高年齢求職者給付金という仕組みがある。従来、受給は1回のみ可能だったが17年に制度が改正。65歳以上でも雇用保険に加入できるようになり、加入後6カ月たつと改めて給付金を受けられるようになった。シニアで転職を考える際には活用したい。失業給付の申請先はハローワーク(公共職業安定所)だ。

専門的なら40万円

スキルアップを目指すシニアもいる。技能習得や資格取得を目指して専門学校などに通うと、費用を助成してくれる制度がある。仕組みは二つに分かれる。

語学やパソコンなど幅広い分野を対象とする一般教育訓練給付制度は費用の20%(上限10万円)相当を受け取れる。17年度は受給者全体の4%にあたる約3600人が60歳以上だった。

もう一つは専門的な資格の取得を支援する専門実践教育訓練給付制度だ。社会福祉士や看護師、保育士などが対象で費用の50%(上限年40万円)を受け取れる。17年から65歳以上も助成対象に入った。2つとも申請先はハローワークだ。

繰り下げ受給で年金増額

公的年金の仕組みも活用したい。多くのFPが勧めるのが「繰り下げ受給」。受け取り始める年齢を遅らせる代わりに年金額を増やせる仕組みだ(図C)。シニアでも働いて貯蓄に余裕がある間は年金をあえてもらわないという選択肢もありうる。

年金額は、受給開始を1カ月遅らせるごとに0.7%増える。開始を70歳とした場合、上乗せ幅は42%。FPの森本氏は「81歳くらいまで長生きすれば、繰り下げの恩恵を受けられる。健康に自信のある人は積極的に考えたい」という。申請先は年金事務所だ。

畠中氏は「定年後どのくらいの期間、仕事をするのか、早めに計画を立てたい」と話す。一般に会社で役職定年を迎える55歳前後には、「公的制度の活用も含めてセカンドライフについて具体的に考えたい」と助言している。

(南毅)

[日本経済新聞朝刊2018年8月4日付]

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