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ウエーターがボス ウルフギャング創業者のステーキ道

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NIKKEI STYLE

今年7月、米国の有名ステーキハウス「ウルフギャング・ステーキハウス」の創業者ウルフギャング・ズウィナー氏が来日した。最上級の牛肉を使用したステーキを提供する同店は、2004年ニューヨークに1号店を開店して以来大きな評判を呼び、世界各国に出店。日本には2014年に上陸、米国国外では初の出店で、以来東京・大阪・福岡で4店を展開する(2018年8月現在)。64歳でウエーターの仕事を引退してから自分の店を開き華々しい第2の人生を歩み始めたズウィナー氏に、仕事への思いを聞いた。

--ドイツ出身で1960年に渡米されたそうですね。

ニューヨークに来たのは20代のはじめでした。出身地であるドイツ北部の都市ブレーメンでホテルとレストランの専門学校に2年通ったのですが、米国に来た当初、まず勤めたのはおじのいたエレベーターの会社でした。でも、仕事が好きではなくほどなくホテルでウエーターとして働き始めた。そのうちドイツ人の元同僚が、「いい仕事を見つけたよ」と電話してきたんです。それが、1887年創業の老舗ステーキハウス「ピーター・ルーガー」でした。これがきっかけで、私も同店で働くことになりました。

「ピーター・ルーガー」はブルックリンとロングアイランドに店を構えていて、最初の勤務地はロングアイランドでした。でも3週間ぐらいしてから、ブルックリンの店のスタッフが病気になり、こちらに来てくれという話になった。それから40年、定年までこの店で働きました。

--それだけ長く働かれたということは、店にどんな魅力があったのでしょう。

私が仕事を始めたときは、皿洗いから、料理人、ウエートレスまでドイツ人ばかりだったんです。とても居心地が良く楽しく仕事ができました。1967年、前任者が亡くなったのを機にヘッドウエーターになりました。その後、マネージャーへの昇格も打診されたのですが、ウエーターならチップをもらえるけれど管理職は給料をもらって終わり。米国ではチップの収入が大きいですからね。だから、昇格を断り引退する年齢になるまでウエーターとして働いたんです。

--引退後にご自身の店を出すことになりますが、その経緯を教えて下さい。

64歳で定年を迎えたとき、次男のピーターが「引退をして何をするの?」と聞いたんです。「フロリダに行って『ビーチボーイ』になるのさ」と言ったら、「いったいどれだけビーチに行くつもり?」と彼が返して、一理あるなと。引退したら新しいことを始めなければ、死んだも同然。

ピーターは優秀な投資銀行家だったので、私のこれまでの経験を生かしてレストランを開こうというアイデアを持っていた。それで、「ピーター・ルーガー」のウエーターをもう2人誘って、マンハッタンのパークアベニューのレストラン跡地に「ウルフギャング・ステーキハウス」をオープンしたんです。2004年のことでした。

ラッキーなことに、オープン後間もなくニューヨーク・タイムズ紙に1ページ大で「40年の時を経て、ウエーターがボスに」という記事が掲載された。それで、みんなが「どんなやつなんだろう」って店に押しかけてくれ、とてもいいスタートが切れたのです。

心がけているのは、食材のクオリティーをベストに保つこと。今は息子がビジネスを取り仕切っていて、日本だけでなく中国やシンガポール、フィリピンなど世界各国に19店舗(2018年8月現在)を展開していますが、使用している牛肉は米国産牛肉に輸入制限のある北京店以外、すべて米国産牛肉のなかでも数パーセントしかないUSDA(米国農務省)格付け最高位のプライムグレードの肉です(北京店ではオーストラリア産を使用)。すべての店に専用の熟成庫があり、最高の状態で提供しています。

--ご自身の店を出そうというとき、どんな店にしようと思いましたか。

これまでの経験を活かしながら、自分の理想に沿ったより良い店にしたいと思いました。ステーキに使用する肉については、「ピーター・ルーガー」で同僚に教えてもらっていました。肉をどのように熟成させ、キッチンでどう調理しているか。スタッフ同士が家族のようでとても近い関係にあったので、肉の切り方から、熟成の方法まで全部見せてくれ常々興味深く観察していたんです。経営についての知識はありませんでしたが、金融業界で働く息子が熟知していましたから私はとても幸運でしたね。

引退するまで私が働いていた店はビアホールのようにざっくばらんな雰囲気だったので、サービスを含めもっとハイエンドな店にしたいと思いました。真っ白なテーブルクロスをかけたテーブル席を設け、高級感のあるメニュー構成にする。メニューはメインのステーキはもちろん、前菜からスープ、シーフードに至るまで幅広い料理を楽しめる構成になっています。

--個人的にはお店のどんな料理がお好きですか。

2人で店を訪れるときは、「ポーターハウス」を頼みます(Tボーンステーキの中でもフィレ肉の割合が大きい部分。日本では「プライムステーキ」として提供)。焼き方はミディアムレアですね。一人の時はサーロインを「ブラック&ブルー」で。これは、外側はこんがり焼き上げながら中心部はマグロの刺し身のように冷たい、非常にレアな状態に仕上げる焼き方です。

私はレアが大好きなんです。私の母はよくグーラッシュ(肉入りシチューの一種)を作ってくれたのですが、子供の頃は調理前の牛肉をよくつまみ食いしたものです。「ウルフギャング・ステーキハウス」の前菜の一つ、「鮪のタルタル」も好きですよ。特に日本のマグロはおいしいですね。

--今も店に出られているそうですね。

オープン当初から今に至るまで、私はいつも店にいます。ニューヨークにいるときは、夜6時になると創業地であるパークアベニューの店に行き、それからもう1つ別の店舗に回ります。ホールで働くわけではなく「広報」ですね。お客様を幸せな気分にして、くつろいでいただくために私がいる。最高の料理を提供するのはもちろんですが、私はそうした接客がとても大事で、それがレストランとしてのゴールだと思っています。

(フリーライター メレンダ千春)

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