外部のベンチャー魂生かせ KDDI社長のスピード感KDDIの高橋誠社長(下)

「EZwebの経験は、新規ビジネスを立ち上げる上での原点になっています。新しい技術やサービスは社外で専門に手掛けている会社の方が意識が高いし、たけている場合が多い。失敗するケースもあるけれど、うまくいくとすごい速度で大きくなっていく。そうなると、ようやく社内の人たちも一緒にやろうと言ってくれるんです」

ビジョン語るCEOと支えるCFOのコンビが最強

――KDDIほどの大企業でも、ベンチャーの力を取り込む必要がありますか。

「技術革新の動きがこれだけ激しい時代に、新しい技術に取り組もうとすれば、外部の企業や研究機関などと協業するオープンイノベーションは欠かせません。そして協業の結果生まれた新しい技術やサービスを、いかに素早くKDDI本体に取り込めるか。そのスピード感が大事になります」

「人工知能(AI)やビッグデータにしても、ベンチャー企業を一生懸命応援して、どんどん大きくしていく。事業として育ってきたら、KDDIの持つ技術やサービスと組み合わせ、さらに大きくしていくわけです。だから、いかに早い段階からベンチャー企業の可能性を見いだすか、目利き力が問われます」

――伸びる企業をどう見極めるのでしょう。

スタートアップの成長を支援する仕組み「ムゲンラボ」を立ち上げた(右端が高橋氏)

「2011年にベンチャー企業を資金面で支援する仕組み『ムゲンラボ』を立ち上げ、多くの企業への出資を手がけてきました。あまたあるベンチャー企業の経営者と接するうち、分かったことがあります。特に動機もなく、金をもうけたいがために事業をやっているような経営者は会社をつぶしていくということです」

「伸びるベンチャー企業は目指したい姿を経営者がしっかり語ります。そこにすばらしいCFO(最高財務責任者)が付いている。狂ったようにビジョンを語るCEO(最高経営責任者)と、持続的成長をしっかり支えるCFOのペアでやっている会社は絶対うまくいく。最近だとフリーマーケットアプリで急成長したメルカリがそう。創業者の山田進太郎会長兼CEOがいて、小泉文明社長兼COO(最高執行責任者)が創業期から、CFOとして支えてきた。スマホゲームを手掛けるグリーも田中良和会長兼社長と、CFOだった青柳直樹氏(現メルペイ社長)の二人三脚で事業を大きくしました」

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