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定年楽園への扉

早期退職で起業もいいけれど 定年後ならより生き生き 経済コラムニスト 大江英樹

2018/8/9

退職を急ぎすぎると、思わぬ不利益を被る場合もあります。退職金や企業年金、退職後の社会保険について、本来受けられる権利の一部を失う可能性があるからです。早期退職をしていいのかどうか、条件をよく吟味しましょう。もし定年まで勤めた方がいいという結論になったのなら、起業は待った方がいいと思います。焦る必要はありません。

■準備して経済的な不安を少なく

早期退職で起業する場合は、生活資金の確保を第一に考えなければならないことが多いでしょう。これに対し、定年後に起業する場合は稼ぐことよりも自分のやりたいことを優先してできます。私は定年後の起業を「ローリスク・ミドルリターン」といっています。ちゃんと準備をした上で経済的な不安を少なくして起業するからこそ実現可能なのです。

時代の流れも定年退職後の起業といえます。データがそれを裏付けています。経済産業省の2017年版の中小企業白書を見ると、男性起業家の年齢別割合は12年時点で60歳以上が35.0%と最多でした。39歳以下は30.7%、40~49歳は17.5%、50~59歳は16.8%です。ちなみに30年前の82年時点での最多は39歳以下の50.3%で、40~49歳は18.9%、50~59歳は20.2%、60歳以上は10.6%でした。

白書は「男性の場合サラリーマンを定年退職した後に、セカンドキャリアとして起業を選択している」と指摘しており、人生100年時代をにらんでこの傾向は強まるでしょう。

私も長年会社員だった人にとっては定年後に起業する方がより楽しく、そして生き生きと仕事ができるのではないかという気がします。それでも早期退職したい人はとめませんが、準備だけはしっかりして無用なリスクは負わないようにしましょう。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は8月23日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(共著、日経BP)など。http://www.officelibertas.co.jp/
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