菊地凛子 米国ドラマの現場で求められるのは瞬発力

日経エンタテインメント!

『ウエストワールド』シーズン2では真田広之(右端)とも共演 (c)2018 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R)and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

アクションも楽しんで演じられたという。「以前から殺陣は練習していましたが、大抵の時代劇では女性がアクションをしないので、今回は演じていて楽しい役でした。返り血を浴びるシーンがありますが、血がもっと飛び散ってもよかったです(笑)」

演技指導に対して驚いたことがあった。「怒りが高まる場面でも、演技はやりすぎないように、抑えめに、と演出されました。現場には必ず脚本家たちがいて、彼らも意見を出しますが、日本人は感情を出さないほうがふさわしいと言っていました。日本の作品のほうがもっと感情を出せと演出されることが多いので、そこは意外でしたね」

ストーリー展開について不明な点があって質問すると、予想外の回答が返ってくることが多かったとか。「次の展開を知らないほうが『ウエストワールド』をもっと楽しめるじゃないか、と言われました。スタッフはみんな、それほどこのドラマが大好きなんです」

「数日後に収録する場面の台本が届くと、当初はあったはずの場面が無くなっているなど変更はしょっちゅうで、俳優だけでなくスタッフも混乱します。ですが、どのパートのスタッフもタフで、何がなんでも結果を残そうと全力を注ぎます。収録のスピードはとても速かったですね。映画の現場で求められるのが持久力だとしたら、ドラマで求められるのは瞬発力ですね。今まで経験してこなかった世界でした」

ハリウッドでのチャンスは広がる

ハリウッドにおける日本人俳優の需要はどうか。「従来なら日本人俳優は、日本人であることがはっきりしている役と、ぼんやりとアジア系であるという役のどちらかを演じていましたが、最近は役名がまるで欧米人という役も増えています。つまり、アジア系であることを重視していない役まで演じられるチャンスが増えているように感じています。でも実際、そういう役は狭き門ではないかという気もして、オーディションを受けるかどうか、つい悩んでしまいますが(苦笑)。可能性がある場合はこれからも挑んでいこうと思います」

全米では好評のうちにシーズン2の放送が6月に終了。シーズン3への期待が高まるが、今後はどうなりそうか。「ウエストワールド以外にショーグン・ワールドがあるなら、他のワールドがあってもおかしくないですよね。期待しています」

(ライター 池田敏)

エンタメ!連載記事一覧
注目記事
エンタメ!連載記事一覧