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名門「灘」校長らが語る 子の学ぶ力育てる3つの動機

日経DUAL

2018/8/9

そう聞くとITの能力を高めるためにプログラミング教室に入れて、英語を習わせて留学させて……などと焦ってしまいそうですが、和田校長は「今の子どもたちはITネーティブで、生まれてきたときから、周りにコンピューターもスマートフォンもありますよね。人間を超える能力を持つコンピューターも、子どもたちは必ず駆使できるようになり、その恩恵を人間に戻してくれるのではないでしょうか」と言います。

「子どもの好奇心の伸ばし方」講演会の様子。小学校低学年の保護者が多数集まった

■「グローバル」=「海外」「英語力」ではない

グローバル化についても、何も英語ができればいいというわけではなく、自分が知らない世界で活躍できる力こそが本当の意味のグローバル力だといいます。「まずは自分たちのことをしっかり理解したうえで、他国について理解できる能力」を身に付けることを和田校長は推奨します。

また必ずしも「グローバル」は「海外」という意味だけを示すのではないとし、「自分が持つバックグラウンドとは全く違う環境に置かれても働けるというのも、ある意味でグローバルな力になると思うんですね。多様な人と協働できること。これが大事なのではないでしょうか」(和田校長)

例えば海外で活躍する人との交流も大切ですが、障害者との交流、年齢が違う人との交流も、グローバルな力を身に付けるためには必要だというわけです。

■学ぶうえでの競争動機、理解動機、感染動機とは

こうした能力を身に付けていくうえでは、ただ親や教育現場が環境を用意すればいいというわけではありません。大切なのは、子ども自身の「学ぼうとする力」。SAPIX YOZEMI GROUPの高宮敏郎共同代表は、宮台真司氏の著書『14歳からの社会学』にある「学ぼうとする3つの理由」について言及しました。

「人が何かを学ぼうとするときには、競争動機、理解動機、感染動機があるといいます。競争動機というのは競争で勝ったらうれしいねということですし、理解動機というのは、分かったときの喜びです。もう一つ、もしかしたらなじみがないかもしれませんが、感染動機は憧れです。こういう人になりたいなどといったことがモチベーションになるということです」(高宮代表)

和田校長はこの3つの動機について、競争動機は切磋琢磨するためには悪いものではないとしつつ、灘校の生徒たちの場合、学ぼうとする力に大きな影響を与えているのは理解動機だと説明。「例えば図形の問題が解けなかったとします。すると2、3日気になったままで、ある日、お風呂に入ってタイルか何かを見たときに、『 あ、そうか!』と理解するようなことがあるわけです。するともう、体の中の神経が震えるような喜びが、本人は得られるわけです。この喜びこそが次の問題に挑戦しようという意欲につながりますし、灘校の生徒の学ぶ力において、大きな動機になっているかと思います」と話しました。

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