精度より鮮度 ヤフーの実験支えるデジタルマーケターヤフー マーケティング&コミュニケーション本部本部長 友沢大輔氏

――ヤフーに入って6年です。どんな仕事をしてきましたか。

「最初の3年は広告事業で新しい事例をつくりました。当時、まだ動画広告は普及していませんでしたが、外部と連携して動画や音声などを用いた色々なパターンの広告をつくり、ヤフーのトップページをジャックするというような実験をしていました」

キャラクター「えんじん」(右)と「けんさく」もマーケティングの一環

「後の3年はマーケティング&コミュニケーション本部という組織づくりです。ここで実験もしています。例えば、11月11日を『いい買い物の日』として、『Yahoo!ショッピング』のポイントを普段より多くつける販促を始めました。あとは『けんさくとえんじん』というキャラクターをつくったり、東日本大震災をきっかけに『防災模試』などの多角的なキャンペーンを実施したりしています」

――ヤフーのブランディングですか。

「幸いヤフーを知らない人はいないので、いかに愛してもらうかが大事です。これまでヤフーのサービスは土管みたいなもので、色がないことがいいとされていました。ただ、それだと企業と協業しにくく、ユーザーから愛される存在になれないんです。こういう新しいアイデアを生み出せる組織に育てていくのが最近の仕事ですね」

デジタルマーケティング、獲得至上主義は問題

――新しいアイデアをどうやって実現していますか。

「日本のデジタルマーケティングは、『獲得』に注意が向きすぎています。ユーザー1人当たりの獲得単価は500円といったように、目標数値をはっきり決めています。赤字を防ぐスマートなやり方ですが、これではヒットは打ててもホームランが出ない。数字で見えるのはデジタルの良さですが、弱点でもあるのです」

「ヤフーには、費用対効果が明確にできないことにも挑戦するための通称『ラボ費』という費用があります。各サービスの担当者が何か実験しようとするとき、重複を避け、一貫性を保つためにマーケティング側で意思決定して一定の額を出すようにしています」

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