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美味しいお金の話

被災後の生活再建 住宅ローン整理・建て直しに支援金 ファイナンシャルプランナー 風呂内亜矢

2018/8/3

土砂災害に見舞われた広島市安佐北区(7月10日)

私の故郷岡山にも大きな被害をもたらした西日本豪雨。前回は、水害時の初動として有効な防災情報やお金の話について整理しました。今回は、やや息の長い期間の復興を考えるときに、知っておくと助けになる情報をお伝えしたいと思います。

■債務整理ガイドラインを利用

自然災害により、住宅ローンが残っている自宅が被害に遭うこともあります。原則では、自宅が壊れるなどしても、ローンの返済義務は残ります。

一方で、被害が大きく、災害救助法が適用された地域で生活の再建が困難になっているケースでは「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」が活用できる可能性があります。今回の豪雨では11府県106市町村(7月31日現在)で災害救助法が適用されています。

このガイドラインの特徴は、手元にある程度の財産を残した状態で、私的債務整理ができることです。さらに、債務整理をしても個人信用情報に載らないことから、生活再建や自宅の修復のために新たなローンを必要とする場合に、借り入れができる可能性も高くなります。対象となる債務は住宅ローンや個人事業主の事業ローンなどです。

手順は、借り入れている金融機関に、ガイドラインに基づいた債務整理手続きの着手を希望することを申し出ます。金融機関の同意を得たら、地元弁護士会などを通じて手続きを進める流れになります。

2015年9月から始まったこの制度は、2018年3月末現在までで774件申請され、222件の債務整理が成立しています。

すべての負債が負担なく清算される制度ではありませんが、生活再建のための借り入れもできないといった、「どうにもならない状況」を緩和できる心強い制度といえます。

■支援金は最大300万円

同じく災害救助法が適用された地域で住宅に被害を受けた場合は、被災者生活再建支援制度で最大300万円の支援金を受けることができます。この制度の適用を決めるのは都道府県で、今回の豪雨では10府県80市町村が対象になっています(7月31日現在)。支援金は、住宅の被害程度に応じて支給される支援金(基礎支援金)をベースに、住宅をどのように再建するかに応じて金額が上乗せされます(加算支援金)。

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