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世界に広がるタトゥー文化 日本の温泉、対応に苦慮

2018/8/7

カナダのトルドー首相も左肩にタトゥーを入れている(2016年4月、米ニューヨーク)=カナディアンプレス・AP

7月に終幕したサッカーW杯の映像を見て、タトゥー(入れ墨)をする選手の多さに驚いた人は多いかもしれません。米調査会社による2012年の調べによると、タトゥーのある米国成人の割合は21%に達しました。欧米ではタトゥー文化が若者だけでなく中高年にも定着しつつあり、カナダのトルドー首相(46)も左腕に施していることが知られています。

なぜ海外ではここまで広がったのでしょう。文化人類学者の山本芳美・都留文科大教授は「欧米でも以前はタトゥーに対して“犯罪”といったイメージが強かった」と話しています。それが1980年代以降、音楽や映画の場を中心にファッションとして徐々に広がりました。さらにニュージーランドの先住民「マオリ」のように「タトゥーを民族固有の文化として復権する動きも世界で活発になった」(山本氏)といいます。

日本はまだ社会的な抵抗感が強いようです。関東弁護士会連合会が14年に1千人の男女を対象に調査すると、入れ墨の経験者は2%にとどまりました。スーパー銭湯などが加盟する温浴振興協会(横浜市)による利用者へのアンケートでも入れ墨をしている人に対して「不快」と答えた人が49%に達しました。

文化の違いはあつれきも生んでいます。13年にはマオリの女性が北海道の温泉施設で入れ墨を理由に入浴を断られたのを機に、異文化と日本文化のどちらを尊重すべきかで議論が起きました。政府も外国人観光客の増加を受けて「入れ墨だけを理由に公衆浴場の利用は制限されない」とする見解を17年2月に閣議決定しました。

とはいえタトゥー客を受け入れるかは、あくまで営業者の判断です。どのような折り合いの付け方があるのでしょうか。

温泉の湧出量が日本一の大分県別府市は17年から、市内の施設のタトゥー客の受け入れ状況を示す地図を配り始めました。英語や中国語でも読める地図によると、16のうち11施設はタトゥー客の受け入れを宣言しています。事前に情報を開示しておけば、客がタトゥーに関して「来てみてガッカリ」という事態は避けられます。

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