普段使いを楽しみたい 高機能アウトドアウオッチ5選
ビビッドなカラーリングや、プロテクションを重視した大型のボディーなど多機能でハードなスタイルのイメージがあるアウトドアウオッチだが、最近では普段使いも意識したスマートなデザインも増えてきた。防水性能や高度計といったセンサーなど、アウトドアウオッチとしての機能はしっかり持ちつつも、デザインやスマートフォン(スマホ)連携など普段使いでも便利なアウトドアウオッチを紹介する。
多彩な機能とタフさが心強いダイビング対応ウオッチ
カシオのG-SHOCKは、1983年に登場した耐衝撃機能を持つデジタル時計で、その人気から多くのモデルがラインアップされている。「フロッグマンGWF-D1000B-1 JF」(希望小売価格税別13万円)は、防水性能があるG-SHOCKの中でも異色のダイビング対応モデルだ。漫画「海猿」で知られる海上保安庁の現役潜水士の意見を取り入れ、実際に彼らも任務に使用しているというタフさには、ダイバーでなくとも心躍る。
80mまで計測できる水深計、水温計、方位計を備え、潜水時間や深度などを記録するログ機能を持つ。ソーラー充電とマルチバンドによる電波時計を備えており、基本的には電池交換や時刻合わせが不要なのは、長期間の旅行やアクティビティーにも有用だ。潮の満ち引きや日の出日の入りなどもチェックできるので、ダイビング計画の立案にも役立つだろう。
反射コーティングされたサファイアガラスや、美しくメッキ処理されたビスなどが高級感を演出し、カーボンインサートバンドとあわせてビジネスシーンなど普段使いでも違和感のない装いを実現する。
PRO TREKの名に恥じない多彩な機能を盛り込んだスマートウオッチ
カシオの「PRO TREK Smart WSD-F20シリーズ」(希望小売価格税別5万1000円)は、アウトドアウオッチとして名高い「PRO TREK」の名を冠し Wear OS by Google (Android Wear)を採用したスマートウオッチだ。PRO TREKシリーズ唯一のスマートウオッチで、Wear OS搭載スマートウオッチでも類を見ない2層液晶ディスプレーを採用する。Wear OSによるスマホ連携やSNSの通知、音声操作など一般的なスマートウオッチの機能の他に、圧力センサーや磁気センサーなど各種センサーとアプリの組み合わせによって、多彩なアクティビティーに対応する。
他のアウトドアウオッチの多くが独自のOSを採用している中、Wear OSを採用したことでスマートウオッチとしての機能やアプリなどの汎用性、バリエーションの豊富さでは群を抜いている。スマホで使用していたアプリをそのままウオッチで使用できて、データ連携がスムーズなのもメリットといえる。
ビジネスユースではアナログ表示のシャープなフェース、トレッキングに出かけるときは高度と歩数がグラフ表示されるデジタルフェースなどシーンにあわせてウオッチフェースが変更できるのも面白い。2層液晶ディスプレーを生かした、多彩なデザインや情報表示を行うカラー液晶表示と最小限の消費電力で時刻のみを表示するモノクロモードを自動で切り替える「カラー表示オートOFF」モードがある。このモードの使用により、約2日へとバッテリー動作時間が伸びるなど、随所に工夫が見られる。
防水機能は50m(5気圧)とPRO TREKシリーズの中では低めだが、スマートウオッチならではのアプリの豊富さとアップデートによる機能強化が、ポテンシャルの高さを感じさせる。
海外製アウトドアウオッチの代名詞SUUNTO
PRO TREKが国産アウトドアウオッチの代名詞とするならば、海外ブランドのアウトドアウオッチの代名詞とも言えるのがSUUNTOだ。今では当たり前になっている液体封入式コンパスを世界で初めて生み出し、冬戦争をフィンランドの勝利に導いた陰の立役者でもある。トレッキング、ランニング向けだけでなく、ダイバーズウオッチなど多くのアウトドアアクティビティーに対応するメーカーとして愛用者も多い。
アウトドア向けという意味では、GPS機能に加え、高度計や気圧計、電子コンパスなどのセンサーを搭載し、デザインも秀逸な「TRAVERSEシリーズ」がラインアップされている。その中でもサファイアガラスを採用した限定モデル「SUUNTO TRAVERSE SAPPHIRE BLACK」(SUUNTOのオンラインショップ価格税込み6万480円)は、仕上げの雰囲気も高級感がありビジネスシーンでも十分通用する。
SUNNTOの最上位モデルである「SPARTAN ULTRAシリーズ」と比べるとバッテリー動作時間が若干物足りないが、トラバースシリーズのみに搭載されるトレッキングやフィッシングなどアウトドアアクティビティー向けのアプリや機能などは充実している。
特に、ファインドバック(スタート地点への距離と方角を示す)とトラックバック(来たルートを戻る)機能は、道迷いや遭難対策として有用な機能だ。登山中に道に迷い、遭難死してしまった事故は毎年のように起こるが、そういった悲劇を防ぐ「お守り」としての役割も注目したい。派生モデルのトラバースアルファは、射撃位置記録や暗視スコープに対応するなどミリタリー向けのモデルで、よりスパルタンなイメージを演出してくれる。
欲しい機能が満載の今最も勢いがあるスマートウオッチ
ガーミンは、1989年から様々な分野においてGPSデバイスを製造・販売するメーカー。登山用のハンディGPSなどで有名で、山岳ガイドなどのプロにも愛用者が多い。そんなガーミンのアウトドアウオッチは、近年若者を中心に高機能を求めるユーザー層から大きな支持を得ている。バッテリー動作時間やアプリの機能など、アウトドアウオッチの中では機能面においては最も充実している製品の一つだろう。
フラッグシップモデルの「fenix 5X Plus Sapphire Ti Black」(公式サイト価格税別12万9800円)は、GPS+光学心拍計の使用時で30時間のバッテリー動作時間、アクティビティーに応じた多彩なアプリ、スマホ連携など普段使いからアウトドアまでシーンを選ばず活躍するはず。極限状態でのタフネスさなどでは伝統ある他のメーカーに一歩譲るが、機能とスタイル、タフさのバランスがとれているのが特徴だ。
耐スクラッチコーティングされたブラックのボディーとサファイアガラスは、高級感もあり普段使いにはフォーマルさを、アウトドアではシャープな印象を与えてくれる。カスタマイズできるウオッチフェースは、シーンやアクティビティーに応じた使い分けを可能としている。また、チタン製バンドとシリコン製のバンドの2つが付属しており、シーンに応じて付け替えられる 。
装着している限り永遠に使える
MATRIXは、体温とケース表面の温度差で発電するユニークな機構を持ったスマートウオッチ。腕に装着している限り常に発電するので、電池交換や充電が不要だ。アウトドアウオッチとしては理想的な仕様といえるだろう。
ハイエンドモデルの「POWERWATCH X」(希望小売価格税別4万2800円)は、200m防水、歩数計や消費カロリー、睡眠量計など、過去モデルの機能は全て搭載する全部入りハイエンドモデル。他のスマートウオッチと比べると機能は少ないが、スマートウオッチとして欲しい機能は押さえてある。アクティビティーやシーンに応じてウオッチフェースの変更も可能だ。
最新テクノロジーを採用し、ビジネスだけでなくカジュアルな装いにもマッチするシンプルでスタイリッシュなデザインは、アウトドアでの使用においても心強さを感じさせてくれる。最新テクノロジーと実用性がマッチしたハイテクスマートウオッチは、他人とは違ったアイテムを使いこなしたい新し物好きな人にはぴったりのアイテムだろう。
(ライター 戸津弘貴)
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