年収300万円はリッチ 世界から考える日本の幸福度

日経ウーマンオンライン

2018/8/2

ところが、ノーベル賞を受賞した米国の行動経済学者ダニエル・カーネマンと、アンガス・ディートンは、少し前にこんな結論を発表していました。

「7万5000ドル(約750万~900万円)以上の年収を得たとしても幸福指数は上がらない」

つまり、月収70万円(年収に単純換算すると約840万円)あたりから、喜びやストレスなどの頻度や度合いは変わらなくなるというのです。

これは、「Gallup-Healthways」という、1000人の米国人を対象に「人生の評価」や「幸福感」についての調査を分析したもの。米国が基準の数値ながら、この「月収70万円」あたりが幸せの飽和状態で、あくまでも金額から感じる幸せ度は、これ以上の金額があっても伸びなくなるというのが、経済学者の見解です。

最近は副業も認められるようになってきており、自分なりの方法を見つければ、幸せの飽和点の収入には誰でも手が届く可能性があるわけです。

収入が高くなれば税金など出ていくお金もそれなりに多くなるし、あれこれ苦労や心配も生まれてくるもの。少し増えた、昨年よりも上がった……そのくらいが幸せかもしれないとは思います。でも、給与はやっぱり高いほうがうれしい。これは経済学者よりも私たちが一番分かっていることかもしれませんね。

【参考資料】

■みずほ総合研究所 2018年夏季ボーナス予測

■Global richlist.com Rankings by Country of Average Monthly Net Salary (After Tax) (Salaries And Financing)

■OECD Data, Hours Worked,.

■ニューズウィーク、スイスで世界の最低賃金、The Minimum Wage Could Reach $25 an Hour?

■WIRED, Dial in your happiness

上野陽子
著述家、翻訳家、コミュニケーション・アナリスト。カナダ、オーストラリアに留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程人間社会情報科学専攻修了。通信社、出版社をへて、コラム連載や媒体プロデュースを手がける。仕事と趣味で世界50カ国以上を周る旅好き。著書に『コトバのギフト―輝く女性の100名言』(講談社)、『スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン』(日経BP社)『mini版 1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)ほか多数。

[nikkei WOMAN Online 2018年6月16日付記事を再構成]

注目記事