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「オンライン診療」解禁 出かけなくても受診可能に

日経トレンディ

2018/8/26

医療過疎地での活用を想定してスタートした遠隔診療だが、「実際に導入している医療機関は7割が首都圏。都心は医療機関の数も多く競争が激しいため、新しい医療サービスの導入にも関心が高い」(MRTメディカルコンサルティンググループ事業部長の谷田章太氏)。昨年9月にオンライン診療を開始した医療法人社団いつき会ハートクリニック(東京都葛飾区)では毎月7~8人がオンライン診療を受診している。アプリの初期設定などは病院スタッフもサポートするが、60代や70代の患者でも問題なく使え、一度使うとリピートする人が多いという。

現状で利用が多いのは内科。今回、保険適用となった高血圧や糖尿病、不整脈などは「予防的に薬を服用していれば状態が安定している患者が多く、オンライン診療との相性がいい」と同院院長の佐藤一樹氏は説明する。

聴診や血液検査はできないため、症状が安定していないと使えない。「生活習慣病は働き盛りの患者が多いので、仕事が忙しいと通院を中断しがち。自己判断で薬の服用をやめると心不全などを起こし死に至る例も少なくない。オンライン診療には通院の“離脱”を防ぐ効果も期待できる」(佐藤氏)。

今回、診療報酬の対象外となってしまったが、スギ花粉症の舌下免疫療法もオンライン診療向きと評価される治療法だ。舌下療法は根気よく続けることが重要で、効果が出るまで2年近くかかる。「昨年アレルギー学会では、対面診療群の治療継続率が81%だったのに対し、オンライン診療群は95%と高い治療継続率が確認できたとの調査が発表された」(情報医療 クロン事業部マネージャーの多田絵梨香氏)。

また、自由診療ではセカンドオピニオンに利用するケースもある。「遠方から患者が集まるような専門病院ではオンライン診療によって通院の負担を軽減できる。転院を検討している場合でも、手術が可能かなどを把握するために“1.5オピニオン”的な利用法も可能だ」(メドレー コーポレート本部の阿部珠恵氏)。「オンライン診療は新しい医療形態の一つになり得る。医療へのアクセスが向上すれば、病気になって通院するのではなく、予防のために利用するケースも考えられる。技術を活用すれば海外に住む日本人の助けにもなるだろう」(黒木氏)と幅広い活用が期待される。

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