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松坂桃李さん 自分でハードルを上げる「上昇力」

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NIKKEI STYLE

テレビ各局の夏ドラマがヤマ場に入ってきました。私が注目しているのは日曜劇場『この世界の片隅に』(TBS系)です。特に主人公すずを支える夫役の松坂桃李さんから目が離せません。松坂さんの「桃李」というお名前は個性的ですが、実は本名だそうで、この名前が原因で松坂さんは小学生時代、いじめられていたそうです。今回は松坂さんを取り上げながら、コンプレックスとの向き合い方についても考えます。

名前が原因でいじめの対象に

松坂さんのいじめについては自身が2012年10月28日に放送された『情熱大陸』(TBS系)で明かしています。桃という漢字が女の子っぽいと揶揄され、机に落書きされ、仲間外れにされていたのだとか……。俳優として活躍されている今は、逆にインパクトのある名前になったように思います。

名前の由来は司馬遷の「史記」にある「徳のある誰からも慕われる人」という意味と、中国の故事「桜梅桃李(おうばいとうり)」にある「自分らしさを大切に」という2つの意味を併せ持つとのこと。大学で心理学を教える松坂さんのお父様が「たくさんの人が寄ってくる、人徳のある人間に育ってほしい。男の子が生まれてきたら必ずこの名前にしよう」という思いのもとに名付けたのだそうです。

名前でいじめられたことについて、松坂さんはずっとご両親に言えなかったそうですが、情熱大陸の中では「この名前をつけてくれたことに感謝しています」と、謝意を伝えていました。

松坂さんの場合はいじめを受けた後、控えめな性格になり、なるべく目立たないようにしていたそうですが、大学在学中に雑誌「FINEBOYS」の専属モデルオーディションに応募し、グランプリをとったことがきっかけで俳優の道を進むようになりました。そして、事務所から芸名での活動も勧められる中、コンプレックスを持っていたはずの本名を使用したまま俳優業に挑む覚悟を決め、むしろ名前を武器の一つとしてまい進しています。

小学生時代はコンプレックスだった名前そのものが、今では俳優として生きていくと決意した覚悟の後ろ盾となっているのかもしれません。

コンプレックスの克服は成長の機会に

俳優業に関わらず、どのような職業に就いていても、人それぞれにコンプレックスというものは存在するでしょう。自分にはコンプレックスが一切ないという人はなかなかいませんし、周囲からはわからなくとも、本人なりに何かしら抱えているはずです。

どのような職種でも、コンプレックスや苦手意識はつきまとうものです。ですが、それらと向き合わずにごまかしながら進んでいては、いつまでたっても抜きんでることのできないループの中でとどまってしまうものです。

例えば、人前が苦手であることを理由に企画やプロジェクトへの取り組み方が後ろ向きになってしまったり、自信がないからと新たにチャレンジすることを避けていては、自身の成長にも組織の前進にもつながりません。

実際、松坂さんの覚悟と決意は、体当たりの演技が話題となった映画『娼年』の中でも証明されています。この作品は16年に舞台化された後、映画版が18年春に公開されました。R18+指定であったためマスメディアでの告知は少なかったのですが、ロングランヒットとなっています。

物語は2001年の直木賞候補となった石田衣良さんのベストセラー恋愛小説が原作。女性の欲望を肯定するために「娼夫」となる青年・リョウの成長を描き、ほぼ全編を性描写が占め、松坂さんの鍛えられた肉体と渾身(こんしん)の演技が話題となりました。舞台の演出に続けて、メガホンをとった三浦大輔監督も「性描写に一切妥協せず」と明言していた通り、松坂さんは男と女が営む本能的な交わりを見事に演じきっています。

おそらく、今をときめく人気俳優がR18+指定の全編ほぼ性描写の作品に主演することにはリスクもあったはずです。ですが、松坂さんは情報番組『A-Studio』(TBS系)の中で、今作をチャンスだと捉え、アダルトビデオを見ながら役作りに励んだとコメントしています。実際、映像には松坂さんが逃げることなく、過激な性表現に真っ向から向き合った覚悟と決意の表れが刻まれていました。

名言を常に心に

司会の笑福亭鶴瓶さんが明かしていましたが、松坂さんの座右の銘は「Next One」だそうです。この言葉は、「あなたの最高傑作は何ですか」と聞かれ、「次回作」と答えたという、チャールズ・チャップリンの逸話に由来しています(注:実際に発言したかどうかは定かではありません)。ただ、常に最善の作品に挑み続けるというチャップリンの決意を表した言葉として有名なものです。松坂さんも常に同じ気持ちを抱いているのだとか。

鶴瓶さんも話されていましたが「これまで通りイケメン俳優でもずっとやっていける。だがそれではハードルの高さがとどまってしまう。少しでも上へとチャレンジしていこうという気持ち」がNext Oneという言葉として、俳優・松坂桃李の覚悟と決意につながっているのです。

松坂さんはいじめられた経験から、ひょっとしたら桃李という本名で勝負することについてリスクを感じていたかもしれません。それでも、常に等身大の自分で次の世界に勝負して、自分のポジションを築き上げてきました。

リスクを恐れずチャレンジしなければ、リターンを得ることはできないと誰もが頭ではわかっていても、それを実行することはなかなかできません。そこには本気の覚悟と決意が必要です。

まもなくお盆を迎え夏休みを取る方も多いことかと思いますが、このオフタイムに、自分自身が覚悟と決意を持って目指したいNext Oneは何なのか……今一度整理しておくと、夏休み明けのリスタートもしやすくなるのかもしれません。

鈴木ともみ
 経済キャスター、ファイナンシャル・プランナー。日本記者クラブ会員。多様性キャリア研究所副所長。TV、ラジオ、各種シンポジウムへの出演の他、雑誌やWeb(ニュースサイト)にてコラムを連載。主な著書に『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。株式市況番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重TV・ストックボイス)キャスターとしても活動中。

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