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国民年金保険料の「5年後納」、9月末で終了 未納減らして受給額アップ

2018/7/31

5年間遡れる後納制度が今年9月末で終了する(日本年金機構本部)

 会社を辞めて働いていなかった時期があります。その期間は国民年金の保険料を払っていませんでした。あとから納めるにはどうしたらよいですか。また、未納のままだとどんなマイナスがありますか。

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 国民年金の保険料は毎月納めるのが基本だが、払い忘れた場合はあとから納付することができる。通常は2年以内だが、5年前まで遡って納めることができる「後納(こうのう)制度」が、2015年10月から実施されている。ただし3年間の期間限定なので今年9月末で終了する。

 後納制度を利用するには年金事務所で申し込む。後納できる期間のうち古い分から納めるので現時点は13年度、14年度、15年度の順で払う。3年以上前の後納保険料には当時の金額に年度ごとに異なる加算額がつく。13年度分なら、当時の1万5040円に540円が加算されて1カ月あたり1万5580円となる。

 保険料を払うことで年金の受給資格期間(現在10年)を得られる可能性があることに加え、将来の受取額を増やすことができる。1カ月分納めると老齢基礎年金は年額で約1624円増える。保険料は全額社会保険料控除の対象になるので、所得税や住民税が軽減されるメリットもある。

 日本年金機構によれば、5年後納の利用者は18年3月時点で22万人を超えており、1人当たり平均で7.7カ月分の後納保険料を納めた(金額は約12万円)。増額される老齢基礎年金の平均は年額で約1万2500円になる。

 厚生労働省が6月末に発表した17年度の国民年金の保険料納付率は66.3%。6年連続で改善したが、なお3割以上に納付漏れや未納がある。保険料が右肩上がりの影響もあろう。未納期間が多ければ、将来年金がもらえなかったり、受取額が少なかったりするリスクを抱えることになる。

 年金制度には老後の暮らしだけでなく、若くても病気や事故で障害を負った人や、一家の働き手を失った遺族の生活を支える役割もある。障害基礎年金や遺族基礎年金が代表例だが、未納があると、こうした保障を自分や家族が受けられなくなる可能性がある。

 後納制度はこうした人を救済する目的で12年10月から15年9月まで10年後納が実施され、今回の5年後納はそれに続くものだった。10月以降は通常の2年に戻る。「有利な後納制度があるうちに未納を減らしておきたい」と社会保険労務士の望月厚子氏は話す。

 国民年金には後納制度以外にも受取額を増やす方法がある。基本は保険料の納付月数を満額の40年(480カ月)に近付けること。60歳になっても40年に満たない場合は65歳になるまでの5年間、保険料を納めることができる「任意加入制度」がある。

 免除や納付猶予、学生納付特例を受けた期間がある人は、10年以内ならこれらの期間の保険料を遡って納めることができる「追納」という仕組みがある。いずれも利用には年金事務所などでの申し込みが必要だ。

[日本経済新聞朝刊2018年7月28日付]

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