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奇跡のサメ写真撮影秘話 すごすぎてネットに偽物氾濫

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/8/4

「すると、1匹のサメが大胆にもカヤックの後ろに現れました。フィルムは、あと5~6枚しか残っていませんでした。サメの背びれが海面に突き出たところで、カヤックに乗っていたスノー氏が後ろを振り返りました。その瞬間、カメラのシャッターを切りました」

「科学者がサメを追うのではなく、サメが科学者を追う。そちらの方がずっと面白味があります。最高の写真というのは、予定していなかったときにやってくるものです」

■拡散されたサメ

写真が南アフリカの地元新聞と雑誌に掲載されると、すぐに大きな反響を呼んだ。

「最初の24時間で、私のウェブサイトに10万件の訪問がありました。2003年当時としては、大反響と言っていいでしょう。でもまさか、偽の写真と思われるとは考えてもみませんでした」

ネットでは、写真が本物か偽物かで議論が巻き起こり、影の角度や、サメの両脇にできた波を比較して、コラージュした写真ではないのかと事細かに分析された。

注目が集まったおかげで、写真家としてのペシャック氏の名が知れ渡ることになったが、見る人にサメの素晴らしさが伝わるというよりも、当時話題にされることと言ったら、本物の写真にしてはすごすぎるという話ばかりだった。

現像されたスライドフィルムには、ペシャック氏の言う「科学者とサメの究極のコラボ」が撮影される瞬間までの様子が収められている(PHOTOGRAPH BY THOMAS P. PESCHAK)

「しばらくの間は、メディアの取材に応える際、証拠として元のスライドを持ち歩かなければなりませんでした」

さらに皮肉なことに、それから数年後、同じサメがネット上のあちこちに出没し始めた。2011年、ハリケーン・アイリーンに襲われたプエルトリコの道路に流されてきたり、クウェートのショッピングモールで壊れた水槽からあふれた水の中を泳いでいたり、かといえばハリケーン・ハービーによる洪水で、ヒューストンの住人を震え上がらせた。

ヒューストンの偽写真は、ペシャック氏のファンが集うオンラインコミュニティの投稿者が知らせてくれた。ペシャック氏いわく、サメが偽の写真に使われたことがわかると、「私よりもコミュニティメンバーの方が腹を立てる」そうだ。

(文 Alexa Keefe、写真 Thomas P. Peschak、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2018年7月20日付]

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