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介護に備える

西川ヘレンさん 壮絶な「多重介護」でも笑顔を忘れず

日経Gooday

2018/8/17

多重介護の経験について語る西川ヘレンさん
日経Gooday(グッデイ)

親や配偶者など、複数の人を同時に介護する「多重介護」。お笑いタレント・西川きよしさんの妻、西川ヘレンさんはきよしさんの両親、実母と40年以上にわたって同居し、家事や仕事をしながら自宅で多重介護を経験した。2018年6月に日本精神神経学会学術総会の市民公開講座で、介護に携わった暮らしぶりを披露。介護者の思いやりある対応は、介護を受ける人の心を穏やかにすると話した。

■役割を持ってもらうと積極的になる

西川家は多い時は4世代が同居し、弟子も暮らす大所帯だった。ヘレンさんはきよしさんと結婚して2017年に50年を迎えたが、結婚後10年もたたないうちに、義父が胃潰瘍で入退院を繰り返すようになった。

「新聞を隅々まで読み、テレビのニュースを見ては意見を言う義父でしたが、少しずつ異変を感じるようになりました。テレビを見ず、新聞も読まない。達筆だったのにミミズがはうような字を書き、『眠れない』と訴えるように。病院に行ってもうつと言われるだけ。家の外にも、部屋の外にも出ることを拒否するようになりました」とヘレンさんは語る。

だんだんと食が進まないようになり、体力が衰えていく義父。ヘレンさんは何とか外に連れ出そうと、満開の桜を見て花見に誘うことを思いつく。

ヘレン:「お父さん、満開の桜を見に行きませんか」

義父:「桜はテレビでなんぼでも見られるから行かへん」

ヘレン:「お父さんに一緒に付いてきてもらったら、頼りになるんです」

義父:「こんなワシでも頼りになるんか!」

こんなやりとりをする中で、「付き添うために出かける」という役割を持った義父は、重い腰を上げた。

「ものは言いようだと思いました。私のエスコートだから、と背広を着られ、義母と実母も一緒に4人で車に乗り、桜の名所に出かけました。義父はしばらくぶりにいい笑顔を見せてくれて。桜の美しさをとても喜んでくれました」(ヘレンさん)

■トイレでの介助は思いやりのある声かけを

花見を楽しんだ4人は、お茶を飲むためにホテルへ。家ではヘレンさんお手製の介護食を、うまくのみ込めずに詰まらせることがあった義父だが、注文した大好物のミックスジュースは一気に飲み干した。「おいしかった!」と大満足。しかし、その後、すぐに尿意をもよおした。

ヘレンさんは義父の側にいるときは、トイレに同行していた。このときに欠かさなかったのが、思いやりのある声かけだ。

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