食う=生きる 異端のグルメ番組がみせる世界のリアルテレ東『ハイパーハードボイルドグルメリポート』

「セルビア 足止め難民の飯」の一シーン。命懸けで祖国を捨てた難民の暮らす拠点を探し、取材。彼らは何を経てそこにたどり着き、何を夢見るのか。そして、何を食って日々をつないでいるのだろうか。カメラが迫った
「セルビア 足止め難民の飯」の一シーン。命懸けで祖国を捨てた難民の暮らす拠点を探し、取材。彼らは何を経てそこにたどり着き、何を夢見るのか。そして、何を食って日々をつないでいるのだろうか。カメラが迫った

昨年10月、テレビ東京の深夜で放送された『ハイパーハードボイルドグルメリポート』(パラビで配信中)が話題になっている。 リベリアの墓地に住む元人食い少年兵や台湾マフィア、米国のギャングといった「ヤバい奴らのヤバい飯」を映し、ギャラクシー賞月間賞を受賞した。演出・プロデュースした上出遼平氏に番組にかける思いなどを聞いた。

――番組の反響は?

結構ありました。広告業界の方が見てくれているそうで、嘘だと思いますけど、最近「ハイパー」ってつく企画書が増えたとか。視聴率は決して高くなかったんですけど、反響で(第2弾、第3弾)をやれることになりました。

(番組製作のきっかけの話になり)

(他の番組の取材で)いろんな国のいろんなご飯を目にして、面白いなって思ってた。「そんな調理法ある?」とか「そんなもの食う?」とか。

たとえば、トンガ王国では、裏庭に穴を掘ってそこで焚き火する。そこに車のエンジンのスクラップとかぶち込んで鉄が真っ赤になるまで熱してそこにバナナの葉っぱでくるんだココナッツオイルと豚肉を並べて、土をかぶせて1時間待つと、豚肉のココナッツ蒸しみたいなものができる。ものすごくおいしいんです。

料理には世界の人々の知恵が凝縮されていて、見れば見るほど世界中の人をリスペクトするようになっていったんです。こんなクリエイティブなもの他にあるか?って。

地をはうように生きる人たちの美しさを見せたいというのと、世界のいろんな料理が面白いっていうのが合わさったような番組がやりたいというのが企画の発端なんです。偶然にも「飯」っていうのが、短期間のロケで人の心をのぞき込むのに最良のツールだった。その人の過去、現在、未来、人種、民族、土地、労働、夢、希望、喜び、悲しみの全てがその日の飯に詰まってる。「同じ釜の飯」を食うことで、ドキュメンタリーが作れることに気づいたんです。

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